神戸製鋼所と三菱重工業は11月21日、神戸製鋼の100%子会社であるコベルコロボットサービス㈱(本社:神奈川県藤沢市)が、三菱重工業の100%子会社であるMHIソリューションテクノロジーズ㈱(本社:広島市西区)が扱う小型可搬型溶接ロボット(製品名「石松」シリーズ)の事業(長崎県長崎市)を、2017年12月1日付で継承すると発表した。
これに伴い、コベルコロボットサービスは「コベルコROBOTiX株式会社」と社名変更し、従来の製造・サービス業務に加え、小型可搬型溶接ロボット事業の開発・設計業務を行うことになる。また、小型可搬型溶接ロボット事業は、第二事業部として引き続き長崎市の拠点で活動していく。
神戸製鋼では、建築鉄骨、建設機械、造船、橋梁、鉄道車輌等、中厚板溶接を中心とした据付固定型の溶接ロボットARCMAN(TM)シリーズや各分野に応じた専用溶接装置を開発・提供し、溶接材料と組合せたソリューション提案を進めている。
一方、MHIソリューションテクノロジーズが扱う小型可搬型溶接ロボット「石松」シリーズは、本体約6kgと人が持ち運べる軽さの溶接ロボットとして、建築鉄骨、造船、橋梁等で多くの販売実績を積んでいる。
近年、同じ溶接対象物であっても、無人化を志向されるケースや限られた時間で多くの溶接継手を施工することを求められるケース、また、設置スペースの有無等、顧客の自動化ニーズは多様化している。神戸製鋼・溶接事業部門では、2016~2020年度グループ中期経営計画において、これらのニーズに応えるべく、溶接ソリューションの推進を掲げており、溶接現場の省人化に寄与する自動溶接の適用範囲拡大に取り組んでいる。
今回の統合により、神戸製鋼グループに小型可搬型溶接ロボットがラインアップに加わり、従来の据付固定型溶接ロボットでは対応できない顧客の要望にも応えることが可能になる。両社の技術開発力の融合により商品力の向上、自動化提案の拡充を進め、神戸製鋼の溶接材料も組み合わせた建築鉄骨、造船、橋梁等幅広い分野でのトータルソリューション提案で、多様化する顧客のニーズに応えていく。