三井造船、豊田通商と共同でケニア/モンバサ港向け港湾荷役クレーン16基受注

 三井造船は11月20日、豊田通商と共同で、ケニア運輸省港湾公社 (Kenya Port Authority ”KPA”)から、東アフリカ最大の貿易港であるケニア共和国・モンバサ港開発事業向けの港湾荷役クレーン16基(岸壁用ガントリークレーン4基、ヤード用トランスファークレーン12基)を受注したと発表した。案件は、2015年に三井造船として初めてアフリカ向けにクレーンを納入した円借款「モンバサ港開発事業」のフェーズ2案件。受注金額は約72億円、2020年ごろの完工を予定している。

 日本政府は第5回アフリカ開発会議(TICAD V:TOKYO INTERNATIONAL CONFERENCE ON AFRICAN DEVELOPMENT)の「横浜行動計画」において、「インフラ整備・能力強化の促進」を支援分野の一つに挙げ、経済発展・産業開発に資する五大回廊支援を表明している。同事業はその一つである「北部回廊」でつながる後背内陸国の玄関港の整備を行うもの。案件は、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて供与する円借款により、本邦技術活用条件(STEP)が適用され、三井造船の港湾クレーンの高い技術力が評価された。特にヤード用トランスファークレーンであるRubber Tyred Gantry Craneには、燃費とCO2の排出量を大幅に削減することのできる環境に優しいハイブリッド技術が採用されている。

 東アフリカ最大の貿易港であるケニア・モンバサ港は、ケニア唯一の国際貿易港であると共に、内陸国(ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ等)へ繋がる北部回廊の玄関口として東アフリカ地域全体の経済発展を支える交易拠点。一方、同港のコンテナ貨物取扱量は継続的に伸びており、2025年には約240万TEUを超える需要が見込まれている。「モンバサ港開発事業フェーズ1」により建設された新ターミナルでは急増する需要への対応が限界に近づくことが見込まれており、フェーズ2によってコンテナ取扱能力の増強が可能となる。

 三井造船はコンテナリゼーションの幕開けとともに、1967年に日本で初めての岸壁用ガントリークレーンを神戸港へ納入以来、国内外に300基を超える納入実績を有している。また、岸壁用ガントリークレーンのみならず、コンテナ荷役効率向上に欠かせないコンテナヤード用トランスファークレーンおよびコンテナターミナルマネジメントシステムも豊富な納入実績を有しており、アフターサービスを含めたコンテナターミナルのトータルシステム企業として事業展開している。今後もこれらの製品を通して、日本政府が掲げる「質の高いインフラ投資」に貢献していくとしている。

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