三菱重工グループ、国内初の小型機対応ロングPBB(旅客搭乗橋)2基など受注

■ステップレスPBB3基も宮崎空港リニューアル工事で受注

 三菱重工グループの三菱重工交通機器エンジニアリング(略称:MHI-TES、本社:広島県三原市)は11月16日、宮崎空港(愛称:宮崎ブーゲンビリア空港)ターミナルビルを運営する宮崎空港ビル(本社:宮崎市)から、旅客搭乗橋(PBB:パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)5基を受注したと発表した。同空港施設の改修に伴い、国内初となる小型機対応のロングPBB2基、および世界に先駆けて開発したトンネル通路内の段差が無いステップレスPBB3基を、今年9月から順次納入しており、12月には全基完了する予定。

 小型機対応ロングPBBは、構想から5年の月日を要し宮崎空港ビルと共同開発したもので、宮崎空港の国内線に就航する通常サイズの旅客機に加え、小型で床の高さが最も低いDHC8-400までをPBB規定で要求される緩やかなトンネル傾斜をキープし全機種に接続できるようヘッド構造、昇降装置、走行装置、トンネル部などの設計を総合的に見直した。

 従来のPBBでは、座席数80人前後の小型旅客機には直接接続できないため、乗降客は雨天の時には片手に傘、片手に手荷物を持っての階段の昇降と駐機場の移動となるが、新しく開発したPBBはその問題を解消し正に「お客様に優しいターミナル」を実現するもの。

 また、ステップレスPBBは大枠トンネル通路と小枠のトンネル通路がスライドして伸縮する構造上避けられないと考えられていた段差を解消し、大小トンネル通路の床をフルフラット化したもの。併せて、大枠トンネル通路床の両脇に設けられていた雨どいの溝も無くして、車椅子を使う場合でも円滑かつ安全に移動できる完全バリアフリー空間を実現している。

 これらのPBBは、全基とも開放感にあふれるガラストンネル式を採用。外観では南国リゾート宮崎の青い空と山の緑、宮崎空港の愛称ともなったブーゲンビリアの花をあしらったデザインも一際目を引く。

 宮崎空港ビルは、国が掲げている訪日外国人旅行者を2020年には4,000万人に増やすという指針に沿って、2019年3月の完成を目指し国際線施設の整備、ならびに国内線ターミナルビル施設リニューアル工事が開始されており、今回、ステップレスPBB1基は新設される国際線専用スポットに設置され、海外からの利用客に快適な乗降を提供する。国内線には小型機対応ロングPBB2基が新設されるとともに、既存のPBB2基がステップレスPBBに更新され、全国内線利用客が徒歩やバスで移動することなくターミナルビルからPBBを通って直接乗降できるようになる。

 MHI-TESは、三菱重工業の国内・海外向け交通システムに関するアフターサービスのほか、輸送機器をはじめさまざまな機械・機器の設計・製作・販売からアフターサービスを手掛けており、PBBも主力製品の一つです。今回、多くの納入実績を持つステップレスPBBに加え、新たに国内初の小型機対応ロングPBBの開発により、国内外空港に対する利用客の利便性のますますの向上に貢献していく。

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