SMCが11月8日に発表した2018年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は2,913億7,300万円(前年同期比26.8%増)、営業利益953億8,200万円(同40.6%増)となった。
また、為替相場が安定的に推移したことにより為替差益31億7,800万円(前年同期は為替差損180億3,000万円)を計上したことなどから、経常利益は1,034億4,600万円(同91.0%増)、税金等調整前四半期純利益は1,025億9,800万円(同93.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は740億600万円(同61.4%増)となった。また、自己資本四半期純利益率(ROE)は、前年同期に比べて2.0ポイント上昇して6.9%となった。
自動制御機器(空気圧機器)の需要は、日本、アジア、北米地域の半導体関連産業向けが大幅に伸びたほか、その他の業種向けも含め、堅調に推移した。
2017年度第1四半期における世界シェアは前年度を1ポイント上回る36%(同社推定)となった。うち日本は65%、北米24%、欧州20%、アジア/オセアニア48%で、半導体製造装置、携帯端末、自動車向けを中心に各地域シェアも増加基調となった。
空気圧機器の需要環境は、新興国を中心とした現地化の流れ、品質向上要請を背景にFA化ニーズは拡大基調にある。SMCは、①競争の場はグローバルベースで激化②為替の変動、金融市場の不安定化③新たな技術潮流、IoT、スマートファクトリー化により更なる信頼、安定性、省人・省スペースが求められる点に留意し、2017年度の重点施策は、変化対応の機動力を整備し、将来を見据えて成長のための投資を拡大、合理化・構造改革を進める方針。①販売の拡大、営業戦力の強化と活性化②適正な品質・価格商品の開発と市場への提案③グローバルベースでの生産・供給網強化④製・販・技 一体のグローバル連携、そのための情報ネットの強化--挙げている。
2017年度下期の重点施策は、競争環境は節目を迎えているとの現況認識を持ち、将来に向けた機動力整備、成長のための投資を継続するという基本姿勢は変えていない。ベトナムに第2工場を建設中など、引き続き新興国を中心に現地化を加速する。
その場合、①IoT型産業構造の高度化、スマートファクトリー化への流れ、②環境対応の要請:自動車EV化への流れ、省エネ・省資源・省スペース、③新たな市場、流通業界、競争の多元化――を留意点としている。
2018年3月期連結業績予想については、上期は半導体製造装置、携帯端末、自動車等を中心に好調だったが、下期は前年度下期水準まで鎮静化すると予想。為替も上期に比較して円高に戻るも、通期では前期に比較して1ドル110円、1ユーロ126円と円安に想定している。事業環境も、半導体関連を中心とした需要増及び為替相場の安定的な推移を背景に、売上高、利益とも当初予想を大きく上回る見込みであることから、通期業績見通しを上方修正。売上高は5,500億円(前期比12.8%増、前回予想5,100億円)、営業利益1,700億円(同20.5%増、1,450億円)、経常利益1,800億円(同21.4%増、1,500億円)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300億円(同14.9%増、1,120億円)となる見通し。
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