東京計器が11月10日発表した2018年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は前年同期比12.0%増の193億7,900万円、営業利益は200万円(前年同期△9億9,200万)、経常利益が1億6,100万円(同△9億3,300万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益も1億4,200万円(同△6億7,900万円)と利益項目全てが赤字から黒字に転換した。防衛・通信機器事業の売上が前年同期を大きく上回ったことに加え、船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、流体機器事業、その他の事業の売上も全て前年同期を上回った。
<船舶港湾機器事業>
商船市場は、国内の造船所で新規建造需要の減少が続いているものの、新造船向け仕入商品に加え在来船向け換装・追設機器の販売が堅調だったことなどから、受注は前年同期並みとなったが、売上は前年同期を大きく上回った。
内航船市場は、老齢船の代替建造は依然として低迷しているものの、搭載機器の一括販売が増えたことなどから、受注は前年同期を大きく上回り、売上も前年同期を上回った。
海外市場は、中国及び韓国の新規建造需要、並びに欧米向けOEMジャイロコンパス販売が引き続き低調だったことなどから、受注は前年同期並みとなったが、売上は前年同期を大きく下回った。
船舶関連機器の保守サービスは、部品販売は伸び悩んだものの、役務工事が堅調に推移したことから、受注は前年同期を上回り、売上は前年同期並みとなった。
この結果、事業全体の売上高は前年同期比2.1%増の44億1,400万円と、営業利益は同104%増の8,100万円ととなった。
<油空圧機器事業>
プラスチック加工機市場は、自動車関連設備の需要が増加したことなどから、受注は前年同期を大きく上回り、売上も前年同期を上回った。工作機械市場は、国内及び北米需要が一般機械を中心に堅調だったことから、受注、売上とも前年同期を上回った。建設機械市場は、国内の復興需要およびインフラ整備需要が減少したことなどから、受注、売上とも前年同期を下回った。海外市場は、中国の成形機需要が堅調だったことから、受注、売上とも前年同期を上回った。
油圧応用装置は、一般産業機械関連機器が堅調だったものの、ダム用水門開閉油圧装置及びバルクキャリア船用ハッチカバー開閉装置が低調だったことなどから、受注は前年同期を上回ったが、売上は前年同期並みとなった。
この結果、事業全体の売上高は前年同期比2.6%増の61億5,300万円、営業利益は3,000万円(前年同期△2,500万円)となった。
<流体機器事業>
官需市場は、前期から繰り延べされた横浜市水道局向け案件があったことから、受注は前年同期を上回ったが、売上は前年同期並み。民需市場は、船舶接岸速度計の客先からの発注が遅れていることなどから、受注は前年同期を下回ったが、前期に受注した船舶接岸速度計を納入したことなどから、売上は前年同期を上回った。海外市場は、受注、売上とも前年同期を上回った。
この結果、売上高は前年同期比6.2%増の5億3,400万円、営業損失は3億4,200万円(前年同期△3億4,200万円)となった。
<防衛・通信機器事業>
官需市場は、SH-60K哨戒ヘリコプター17機、CH-47輸送ヘリコプター6機等の一括調達に伴う油圧機器の新規契約、航空自衛隊向け油圧機器の修理契約及び部品販売の増加があったことなどから、受注は前年同期を上回った。また、新たにF-15主力戦闘機用レーダー警戒装置の更新に伴う開発・納入があったことから,売上も前年同期を上回った。
センサー機器市場は、地震計関連機器及び道路関連機器の数量が増加したことなどから、受注、売上とも前年同期を上回った。
通信機器市場は、地上デジタル放送関連機器の換装需要が好調だったことに加え、半導体製造装置向けプラズマ生成用マイクロ波増幅器の数量が増加したこと、海洋監視向け新型衛星通信用アンテナスタビライザーの一括契約があったことなどから、受注は前年同期を上回り、売上は前年同期を大きく上回った。
この結果、事業全体の売上高は前年同期比31.8%増の68億5,000万円、営業利益は2億5,400万円(前年同期△5億6,000万円)となった。
<その他の事業>
検査機器事業は、海外市場向け新商品の投入が遅れたことなどから、受注、売上とも前年同期を下回った。防災機器事業は、「ガス系消火設備の容器弁の安全性に係る点検」及び改修工事が好調に推移したことに加え、立体駐車場の完成物件が増えたことなどから、受注、売上とも前年同期を上回った。鉄道機器事業は、レール探傷車のような大型物件がなかったことから、受注は前年同期を大きく下回ったが、探傷車搭載装置を納入したことなどから、売上は前年同期を上回った。
この結果、売上高は前年同期比11.0%増の14億2,700万円、営業損失は200万円(前年同期△8,000万円)となった。
■2018年3月期連結業績見通し
2018年3月期の連結業績予想については、防衛・通信機器事業は海上保安庁関連の官需市場が好調なものの、船舶港湾機器事業がアジア新造商船関連の海外市場が停滞、油空圧機器事業は特装車関連の建設機械市場が低迷、流体機器事業も官需市場が九州北部豪雨による河川復旧工事に予算が優先され計装工事が低調になる見込みであることから、売上高・各利益とも5月12日公表値を修正した。売上高456億円(前回予想463億円)、営業利益16億7,000万円(同17億円)、経常利益18億3,000万円(同17億3,000万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、14億円(同13億4,000万円)となる見通し。
コメントを投稿するにはログインしてください。