日精エー・エス・ビー機械が11月10日に発表した2017年9月期(2016年10月~2017年9月)連結業績によると、売上高は、292億8,900万円(前期比14.7%増)、受注高は306億9,400万円(同33.4%増)とそれぞれ過去最高を更新した。期末の受注残高は90億6,000万円(前期末76億5,600万円)となった。
利益面では、売上規模が拡大した中で、販売費及び一般管理費の増加を低く抑えられたことにより、営業利益は61億400万円(同34.9%増)、経常利益は期前半に為替差益を計上したこともあり、69億5,400万円(同68.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、45億7,100万円(同80.5%増)となり、各利益項目は過去最高益を更新した。
2017年9月期は、期中を通じて円安基調の為替環境が継続したことに加え、米州地域をはじめとする海外主要市場では、好調な市場環境を背景にユーザーの設備投資意欲が順調に推移するとともに、高付加価値容器の生産に適した同社製品への需要が高まるなど、グローバルに事業展開する同社の経営環境は堅調に推移した。同社では、既存主力製品の拡販と新製品の市場浸透を図るため、世界各地で開催された大型展示会に積極参加するとともに、需要拡大が期待される大型機の拡販に向けた施策に注力した。
生産面では、中長期的な事業規模の拡大を見据えて、インド第3工場の建設推進、国内新工場の建設決定、生産体制の効率化などに尽力し、生産能力の更なる拡充に向けた施策を実施した。技術面では、既存主力製品の生産性や機能の向上を図るなど、市場ニーズに即応する製品開発に尽力するとともに、事業領域の拡大や製品競争力の強化を図るため、大量生産機や新製品の開発にも注力した。
製品別売上高は、ストレッチブロー成形機が172億8,400万円(前期比21.0%増)、金型が72億1,900万円(同7.6%増)、付属機器が17億9,000万円(同5.9%増)、部品その他が29億9,400万円(同5.2%増)とそれぞれ増収となった。機種別では、ASB-150DPシリーズが大幅増収を達成した。一方、主力製品ASB-70DPシリーズは前期並みに留まるとともに、PF24-8B型などのPFシリーズも前期の水準を下回った。
<米 州>
北米市場では同社製品への需要が高まり、大幅増収を達成するとともに、中南米市場でも前期を上回る実績を確保したことにより、地域全体の売上高は97億400万円(前期比37.2%増)と大幅増収。セグメント利益は増収効果などにより、29億5,300万円(同31.6%増)となった。
<欧 州>
地域的な濃淡はあるものの、期中を通じて堅調な販売環境が持続したことにより、地域全体の売上高は50億1,900万円(前期比5.0%増)。セグメント利益も、17億1,100万円(同21.1%増)となった。
<南・西アジア>
前期に販売を伸ばしたインド市場などで減収になったものの、シンガポール販売法人が前期を上回る実績を残したことにより、地域全体の売上高は95億2,200万円(前期比5.1%増)。セグメント利益は、17億6,300万円(同13.2%増)となった。
<東アジア>
主要市場の中国でユーザーの設備投資意欲が回復基調で推移したことにより、地域全体の売上高は23億8,800万円(前期比31.2%増)。セグメント利益も増収の影響により、5億9,90万円(同23.7%増)となった。
<日 本>
前期に計上した大型案件がなくなった影響などにより、売上高は26億5,400万円(前期比4.9%減)。セグメント利益は、収益性の改善などにより7億8,500万円(同18.7%増)となった。
■今後の見通し
2018年9月期については、競合他社との競争激化、為替相場の変動リスク、世界経済の減速懸念など、外部環境の変化が想定される。
同社では、新製品の市場浸透や大型機の拡販などを進めるため、大型展示会に積極参加するなど顧客需要を喚起する販売策を実施し、売上規模の拡大に注力する。
生産面では、国内新工場の建設準備に加え、インド第3工場の稼働に向けた体制整備に注力するとともに、技術面では、既存主力製品の技術改良や新たな製品開発を推進するなど、顧客ニーズに即応する技術提案を実施し、受注の獲得に注力する。
これら諸施策を的確に実施することにより、2018年9月期連結業績は、売上高323億円(前期比10.3%増)、営業利益68億円(同11.4%増)、経常利益72億円(同3.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48億円(同5.0%増)となる見通し。
なお、業績見通しの前提となる為替レートは、1米ドル110円、1ユーロ120円。
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