酒井重工業、4~9月売上29.7%増の134.7億円、利益項目は倍以上

 酒井重工業が11月10日発表した2018年3月第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は、国内外ともに好調に推移し、前年同期比29.7%増の134億7,000円となった。売上高の増加に伴い、営業利益は同117.9%増の13億5,000万円、経常利益は同159.4%増の12億4,000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同182.1%増の8億1,000万円となった。

 酒井重工業2017年第2四半期データ

■連結地域区分別売上高状況

 国内向け売上高は、今年8月末生産期限の大型ローラ排ガス規制の駆け込み需要により、前年同期比22.3%増の62億円、海外向け売上高は、北米及び東南アジアを中心に総じて販売が好調に推移し、同36.6%増の72億6,000万円となった。

 海外向け売上高の内訳は、北米向けは、堅調な建設投資が続く中で販売活動を強化し、同45.3%増の22億8,000万円。アジア向けは、インドネシア市場が活発に推移するとともに、メコン経済圏市場も堅調さを維持し、同19.7%増の41億8,000万円。中近東・ロシアCIS向けは、不安定な地域情勢の下、同11.4%増の9,000万円と底這い状態が続いた。その他市場向けは、オセアニア市場が回復基調に転じ、中南米市場が底入れ、アフリカではウガンダ向けプロジェクト案件の出荷が始まった結果、同324.0%増の7億円となった。

<日 本> 国内排ガス規制特需と海外販売拡大の結果、総売上高は前年同期比26.1%増の107億6,000万円、営業利益も同170.7%増の6億9,000万円となった。

<海 外> 米国では、国内販売が順調に拡大し、総売上高は前年同期比36.0%増の23億3,000万円、営業利益は同33.1%増の1億1,000万円となった。インドネシアでは、国内販売が倍増するとともに、第三国向け輸出も順調に拡大した結果、総売上高は前年同期比46.4%増の36億3,000万円、営業利益は同170.8%増の5億6,000万円となった。中国では、北米向けを中心に第三国向け輸出を拡大したものの、国内販売が伸び悩み、総売上高は同17.2%増の10億1,000万円ながら、営業利益は同28.0%減の4,000万円となった。

■2018年3月期見通し

 今後国内は、排ガス規制特需が終了するものの、中期的には東京五輪や政府経済対策、災害復興など底堅い工事需要が続くことから、特需の反動減をこなしつつ実需に基づく売上高水準に収束していくものと予想。海外は、北米における積極的なインフラ投資や東南アジアにおける内需拡大政策、更には中国及びその他新興国諸国でも経済回復基調に入りつつあることから、足下の事業環境は総じて緩やかな回復基調を辿るものと期待している。

 しかし、北朝鮮や中近東における地政学リスクの高まりや、反グローバリズムに代表される世界的な社会情勢のうねり、更には自動運転技術や電気自動車技術の急速な進化と普及に伴う産業競争軸の転換など、世界のマクロ情勢は大きく変化しつつあり予断を許さない。

 酒井重工業では、中長期成長戦略を堅持しつつ攻守メリハリを利かせた会社運営を進める方針とし、北米における現地生産拡大と次世代製品・サービスの開発を急ぐとともに、国内外における営業戦略の積極的展開、需要変化対応力の強化、人材力と開発力の底上げ、マザー拠点強化とグループ経営体制整備など、将来成長政策とその土台となる企業体質基盤を強化していく。

 2018年3月期の連結業績は、売上高265億円(前期比11.8%増)、営業利益23億円(同35.5%増)、経常利益21億円(同35.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(同22.9%減)と当初見通しを据え置いている。

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