三菱重工環境・化学エンジ、相模原市から廃棄物焼却施設の改良工事を受注

■処理能力450トン/日の一般廃棄物焼却施設を長寿命化

・「北清掃工場」のストーカ式炉3基と処理能力85トン/日の粗大ごみ破砕設備を改修

・受注額63億8,660万円で、2036年までの長寿命化と省エネ化はかる、2021年3月完成

・環境省所管の交付金支援制度で、発電量をアップし、CO2排出量を約10%削減

 三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は11月9日、神奈川県相模原市から、一般廃棄物焼却施設「北清掃工場」(緑区)の基幹的設備等改良工事を受注したと発表した。

 処理能力450トン/日のストーカ式焼却炉(※1)設備および処理能力85トン/日(5時間)の粗大ごみ処理施設(破砕設備)を改修し、今後2036年度までの長寿命化および省エネルギー化をはかる。受注額は63億8,660万円(税抜)で、完成は2021年3月(4ヵ年継続事業)を予定している。

 同施設は、三菱重工業の設計施工により1991年8月に粗大ごみ処理施設が完成、同じく1991年12月にごみ焼却施設が完成したもの。一般廃棄物焼却施設は処理能力150トン/日のストーカ炉3基および関連設備で構成され、2,500kWの発電能力を備えている。粗大ごみ処理施設は破砕能力85トン/日(5時間稼働)の破砕機1基および関連設備で構成されている。

 今回受注した基幹的設備等改良工事では、経年的に劣化した焼却施設の受け入れ供給設備、焼却設備、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備、通風設備、灰出し設備、給水設備、電気設備、計装設備などを対象に主要機器の更新等を行う。また、MHIECが特許を持つ安定燃焼に寄与する「新燃焼制御システム(低空気比燃焼システム)」を採用し通風設備の消費電力の低減をはかるほか、各種電動機に高効率モーターやインバータを採用することによる省エネ化、さらには蒸気タービンの出力(発電量)を2,625kWに増大させることにより、CO2排出量を年間約10%削減することで地球温暖化抑制にも貢献する。

 一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にある。加えて、国が2010年度に関連する交付金支援制度(※2)を創設したことで、さらに活発化している。

 MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく、建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。

 MHIECは、今回の受注とこれまでの実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていく。

 ※1 耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。

 ※2 環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)もしくは循環型社会形成推進交付金として事業費の1/2もしくは1/3が交付される。

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