トピー工業、資材搬送を省力化する全方向に移動可能なクローラー型搬送支援ロボット「クローラーTO」を開発

 トピー工業は11月7日、㈱竹中工務店岡谷鋼機と共同で、建設現場における作業員の負荷軽減を目的に、スマートフォン等の無線通信による操作で資材を搬送できる、全方向移動クローラー型搬送支援ロボット「クローラーTO(トゥ)」(※1)を開発したと発表した。「クローラーTO」は、前後左右全方向に移動可能で小回りが利く特長を持つ、トピー工業の「OMNICRAWLER」(※2)を移動機構としている。

 国内建設需要が増加傾向にあるなかで、建設技能労働者の不足が大きな課題となっている。「クローラーTO」により、高齢作業者や、女性作業者でも簡単な操作で重量物の搬送を行うことができ、建設作業所における搬送作業の省力化が可能となる。

 建設作業現場では、資材の運搬に工事用エレベーターを使用しており、荷捌きスペースが広い場合は、フォークリフトで資材の積み込みを行っている。しかし、スペースが狭い現場では、運搬用台車を作業員がエレベーターまで押して積み込む必要があり、資材を載せた台車は重量物であるため、積み込みに時間がかかるとともに、大変な重労働となっている。「クローラーTO」は、狭いスペースでも、スマートフォンの操作によって、重量物を積載した台車の下に潜り込み、リフター機能を使って持ち上げ、搬送する。

 「クローラーTO」は、トピー工業ら3社と建設機械レンタル会社が共同で、試行と改良を重ね、2018年2月を目標にレンタルおよび販売を開始する計画。トピー工業は、今後一層の研究を積み重ね、「OMNICRAWLER」を使ったさまざまなロボットの開発に取り組んでいく。

<クローラーTOの概要>

サイズ:幅54cm、長さ92cm、高さ24.6cm

本体重量:120kg

走行速度:3km/h

稼働時間:2~4時間

積載量:500kg(牽引1t)

段差乗り越え可能高さ:25mm

操作機:スマートフォン等(Wi-Fi通信を利用)

 ※1 商品名「クローラーTO」は、岡谷鋼機株式会社が商標登録出願中。

 ※2 「OMNICRAWLER」は、東北大学大学院 情報科学研究科 多田隈建二郎准教授の研究成果をベースにトピー工業が実用化を進めた移動機構。

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