㈱日本製鋼所と月島機械は11月6日、製造分野の協業に関して共同検討を開始することで合意したと発表した。日本製鋼所室蘭製作所の製造リソースを活用した両社の製造事業再編の実施に向けた検討を開始する。ただ、現状は検討段階で決定した事項はないが、内容の詳細については、今後両社が協議のうえ決定次第、速やかに発表するとしている。
日本製鋼所の室蘭製作所は、「独創技術で変化を創り出し社会の発展に貢献する企業」というビジョンのもと、日々変化する社会のニーズを積極的に開拓し、長年にわたり培われてきた固有技術と創造力で、各種鋳鍛鋼製品やクラッド鋼板・鋼管製品を製造してきた。
近年では、エネルギー市場環境の変化や海外企業との競争が激化していることから、室蘭製作所においても生産効率の改善やコストダウンに注力してきた。しかし、依然として受注環境は厳しく、経営資源を最大限に活用するために、大型の各種産業機械や環境装置を得意とする月島機械との協業に関する共同検討に着手することにした。
一方、月島機械は、「最良の技術をもって産業の発展と環境保全に寄与し、社会に貢献する」という企業理念のもと、創業以来、ろ過、乾燥、蒸留、焼却といった単位操作技術に基づく産業機械や環境装置などを設計・製造してきた。
近年で、単体機器市場のグローバル化が進み、海外企業との競争が激化していることから、月島機械も工場の生産効率の改善やコストダウンに取り組んできた。しかし、市場の変化が更に速くなっていることから、より一層の生産体制の効率化を進めるために、多品種少量で高精度な製造を得意とする日本製鋼所と協業に関する共同検討に着手することにした。
両社は、保有する経営資源と製造技術を相互に最大活用することで、コスト競争力を向上するとともに業容拡大の可能性についても検討していく。
<株式会社日本製鋼所の概要> (2017 年10 月末現在)
本社 : 東京都品川区大崎1 丁目11 番1 号
代表者 : 宮内 直孝
資本金 : 196 億9,423 万円
設立 : 1950 年(昭和25 年)12 月11 日
事業内容 : 電力、石油、天然ガス等エネルギーに関わる諸製品を柱とする素形材・
エネルギー事業および樹脂関連機械とレーザ応用製品を中心とする産業
機械などの製造,販売等
売上高 : 2,124 億6,900 万円(連結、平成29 年3 月末)
従業員数 : 5,239 名(連結、平成29 年3 月末)
<月島機械株式会社の概要(2017年10月末現在)
本社::東京都中央区晴海三丁目5番1号
代表者:山田 和彦
資本金:6,646,801,824円
創業:1905年(明治38年)8月
事業内容:上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の
産業用設備および廃液や固形廃棄物処理等環境関連設備を主要マーケット
とする産業事業等
売上高:69,862百万円(連結;2017年3月末現在)
従業員数:2,356名(連結;2017年3月末現在)