東レ、レギュラートウ炭素繊維の量産化設備を米子会社メキシコ工場内に新設

 東レは11月2日、高成長が続く炭素繊維の需要に対応するため、コストと性能のバランスに優れるレギュラートウ炭素繊維のの新品種を開発し、その量産化に向けた焼成設備を米国子会社Zoltek Companies,Inc.(ゾルテック、本社:ミズーリ州セントルイス、以下Zoltek)のメキシコ工場(メキシコ合衆国ハリスコ州)内に新設すると発表した。生産開始は2018年末を予定している。

 炭素繊維世界市場全体は、様々な分野での活用によって今後も年率10%以上での伸長を見込んでおり、需要拡大に伴いニーズも多様化している。東レグループはこれまで、航空・宇宙用途を中心とした超高性能炭素繊維から、自動車向けをはじめとした産業用途で採用が進む高強度・標準弾性率炭素繊維まで、幅広い製品をラインアップし、旺盛な需要に対応してきた。今後ニーズの多様化はさらに進み、また電気自動車や燃料電池車への炭素繊維本格採用に伴い、産業用途需要全体は飛躍的に拡大する見通し。

 東レでは、この需要増加に対応するべくコストパフォーマンスに優れるレギュラートウ新品種の開発を進めてきた。今回開発した新品種「Z600」は、現在Zoltekで生産しているラージトウと、圧力容器用途等で実績のあるレギュラートウの中間の物性を持つ。今後、需要をけん引する自動車構造部材などを中心とした産業用途に展開していく。

 東レグループでは、今回新たにラインアップした品種に留まらず、今後も次世代高性能炭素繊維を新たに開発し一層拡大する炭素繊維需要に幅広く対応していく。

 東レは、中期経営課題“プロジェクトAP-G2019”において、炭素繊維複合材料事業の重要課題として「成長分野での事業拡大、新製品開発による新規需要の創出」を掲げている。今後も幅広い製品ラインアップを揃える総合力と、川上から川下に至る垂直統合型ビジネスのグローバル展開により、炭素繊維複合材料事業の更なる拡大を目指す。

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