MHPS、インドネシア天然ガス焚き88万kW級GTCC発電設備向けガスタービン2基を出荷

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は10月31日、インドネシアの国営電力会社であるPT. PLN(Persero)(PLN社)向けに受注していたM701F形ガスタービン2基の出荷を完了したと発表した。PLN社が“Jawa-2プロジェクト”としてジャワ島のタンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所内で建設を進めている、出力88万kWの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備において中核機器となるもので、ガスタービン単独での運転開始は2018年の予定。

 同日、製作を手掛けた高砂工場(兵庫県高砂市)では、出荷を記念して式典を開催。併せて、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて出荷して以来、現在までおよそ50年にわたり緊密な関係を築き同国の電力供給整備の一翼を担い続けてきたことを両国関係者の間で再確認するとともに、今後のさらなる協力関係強化を誓った。インドネシア側からはPLN社でJawa-2プロジェクトを含む西ジャワ地域およびランプン州を統括するハリヤント(Haryanto WS)取締役(Director)、日本側からも来賓が多数臨席。MHPSからは石川雅雄取締役常務執行役員、中村克也執行役員らが出席した。

 今回出荷したM701F形ガスタービンを中核とするGTCC発電設備は、MHPSが三菱商事および現地の建設・エンジニアリング会社(PT. Wasa Mitra Engineering:WASA)とフルターンキー契約で受注、2016年11月に土建工事を着工したもので、首都ジャカルタの中心部から北東約10kmに位置する港湾都市タンジュンプリオクに建設中。MHPSはガスタービン2基のほか、排熱回収ボイラー2基、蒸気タービン1基、ならびに付帯設備一式を供給する。

 MHPSは、2006年にインドネシア初となるM701F形ガスタービン2基をチレゴン(Cilegon)GTCC発電所に納入。以来、2011年にムアラカラン(Muara Karang)発電所、2012年にタンジュンプリオク発電所に連続して、M701F形ガスタービン2基をそれぞれ納入した。また、2016年にはM701F形ガスタービン1基を中核とするGTCC発電設備を、ムアラカラン発電所向けにフルターンキー契約で受注しており、いずれもPLN社が国内電源整備計画において最も重視するジャワ-バリ(Jawa-Bali)系統の電力供給網拡充に貢献するもの。

 MHPSはインドネシアでの大型ガスタービンでトップシェア。今回の出荷式典を通じてより一層インドネシア電力市場でのMHPSプレゼンスの向上を目指すとともに、今後も高効率火力発電設備の普及を通じ、グローバル規模での経済発展および持続可能な社会の追求に貢献していく。

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