NTN、多目的オフロード車両用「超高角DOJ」を開発

■世界初、業界最大の作動角39度を実現した しゅう動式等速ジョイント

 NTNは10月25日、多目的オフロード車両*に最適な、最大作動角39度の しゅう動式等速ジョイント「超高角DOJ」を開発したと発表した。

 近年、北米を中心に、レジャーや農作業向けに4輪バギー車の需要が増加し、ここ数年では、2~4人以上が搭乗できる丸ハンドルタイプの多目的オフロード車両が急増している。走破性や乗り心地改善のため、車高が高くなったり、サスペンションのストロークが大きくなったりすることで、エンジンやモータの力をなめらかに車輪に伝えるドライブシャフトに対して、より大きな角度対応が求められるが、ドライブシャフトの車体側のしゅう動式等速ジョイントでは大きな角度を設定することに課題があった。

 このほど多目的オフロード車両用途に、しゅう動式等速ジョイントの最大作動角を30.5度から39度に広げた「超高角DOJ」を開発した。

 開発品は、業界最大の作動角39度を実現したほか、超高角時の強度や耐久性も確保している。より大きなトルクを伝達できるようボール径を大きくし、ボールを保持するケージ(保持器)も肉厚設計としているが、これまでに培った軽量・コンパクト化の技術により、多目的オフロード車両に搭載可能なレベルに外径寸法を最小化した。

 NTNは、開発品を含めて、しゅう動式等速ジョイント「DOJ」シリーズの拡充により、多目的オフロード車両の高角化など、多様化する顧客ニーズに対応していく。また、開発品は、10月27日~11月5日に東京ビッグサイトで開催される「東京モーターショー2017」に出展する。

* SSV(Side by Side Vehicle)やUTV(Utility Task Vehicle)あるいはROV(Recreational Off highway Vehicle)とも呼ばれ、米国を中心に、業務用からレジャー用まで幅広い用途で人気を博している、丸ハンドルタイプの4輪バギー車の総称。

<開発品の特長>

最大作動角:39度(従来品:30.5度)

強度、耐久性:同等

外輪外径:コンパクト設計で外径寸法の増加を8%以下へ

 ニュースリリース