三井造船、インドネシアにコンテナ荷役用クレーンの製造会社を設立

 三井造船は10月27日、運搬機事業の更なる拡大・強化のためインドネシアにコンテナ荷役用クレーンを製造する子会社「PT. MES Machinery Indonesia」(インドネシア バタム島、岸本泰樹社長)を設立したと発表した。

 三井造船の機械・システム事業本部は、港湾でのコンテナ荷役用クレーン製造を主力事業の一つ。1961年にパセコ社と技術提携し、1967年に日本初のコンテナ荷役用クレーンを神戸港に納入するなどクレーンメーカーのパイオニアとして国内外に多数の納入実績がある。

 海上輸送用コンテナの荷動量は、人口増や経済成長に伴い、リーマンショック後の2009年を除いて一貫して伸びており、近年コンテナ船の大型化も進んでいる。このため、日本をはじめとする先進国ではかつて設置したクレーンの更新需要や、コンテナ船の大型化に対応するための新規需要がある。また、東南アジア、アフリカなどの新興国では、港湾整備に伴うクレーンの新規需要が見込める。

 こうした状況の中、三井造船は、コンテナ荷役用クレーン事業のさらなる強化・拡大のため、2015年に大分事業所運搬機工場の主力製品である*①ポーテーナの生産能力を22基/年から36基/年に増強した。しかし、旺盛な需要に対応するためには、更なる生産能力の拡大が必要と判断し、今回の新会社設立に至った。製造能力は、ポーテーナ4台、*②トランステーナ30台/年規模になる予定。

 新会社で製造されるクレーンは、インドネシア国内のみならず、将来的にはマレーシア、ベトナム、ミャンマー、フィリピン、タイなど東南アジア各国に輸出される予定。インドネシアで製造することで製造コストだけでなく、大分事業所からの輸出に比べ輸送コストも削減できる見込み。

 三井造船は、「グループ総合力の発揮による利益率の向上と収益安定化」を目指し、2017年度中期経営計画(17中計)に取り組んでおり、運搬機の海外生産拠点確立は重要施策の一つ。今回の新会社設立により、運搬機事業の更なる強化・拡大を図っていく。

<新会社概要>

会社名:PT. MES Machinery Indonesia

所在地:JL.Brigjend.Katamso KM.18 Kel.Tanjung Uncang,Kec.Batu Aji Kota Batam 29424, Indonesia

代表者名:岸本 泰樹

資本金:500億ルピア(約4.2億円)

 ニュースリリース