日本精工(NSK)は10月23日、NSK韓国社天安工場の開所式を20日に開催したと発表した。世界的な自動車用自動変速機の需要拡大と多段化の進展により、自動車用自動変速機向け高精度軸受の需要が拡大している。NSKでは、最新鋭の自動化設備を導入した天安工場を活用し、今後拡大する需要に対応していく。
NSKの内山俊弘長は、関係者への感謝とともに「天安工場は、環境にやさしい工場であること、そしてクリーン工場であることをコンセプトに、お客様に貢献し、より一層信頼される工場となるように、社員一人ひとりがその実現に向けて力を合わせ、グローバルNSKのモデル工場になってくれることと、期待しています」と述べた。
<NSKの韓国事業>
2016年に創立100周年を迎えたNSKでは、早い時期から事業のグローバル化に取り組み、1962年の米国進出を皮切りに1960年代にはドイツ、1970年代にはブラジルおよびイギリスに製造および販売拠点を設立した。現在では、グローバルに64工場を展開し、うち43工場が海外工場であり、2016年度の海外売上比率は約7割に達している。
韓国には、1987年に韓国企業との合弁で現在の韓国NSK社(ソウル市)の前身である韓国精密株式会社を昌原市に設立、2003年に子会社化し、今年9月に設立30周年を迎えた。電機・電子向けなどの高精度な軸受の国産化を実現するなど、韓国産業の発展に貢献し、現在では、2つの工場、2つの販売拠点およびテクノロジーセンターを展開し、韓国の顧客をはじめグローバルに供給している。
<天安工場概要>
拠点名:韓国NSK社 天安工場
所在地:韓国 忠清南道 天安市
生産品目:自動車用軸受
工場規模:敷地面積 約9万㎡、建築面積 約2万㎡、従業員数:約200名
操業開始:2017年10月
投資金額:約50億円
<天安工場の特長>
- 高い生産性•全設備の稼働状況を、複数のモニターで同時に把握できる生産モニタールームの設置などICT活用による高度な統合制御を実現。
- 自動化された最新鋭の設備を導入。
- セキュリティーの向上•エントランスに指紋認証システムを設置し、セキュリティーを強化。
- 環境への配慮•電力に太陽光や風力を活用した高い省エネ性。
- 高い生産性による環境負荷低減。
- 従業員の働きやすさと安全を追及•研削油の飛散をなくしたほか、低騒音化を実現。
- 自然光を最大限に採用した快適な室内環境。