㈱インターネットイニシアティブ(IIJ)と平田機工は10月19日、IoT技術を最大限に活用し、国内外の様々な産業における生産工程の「スマートファクトリー(※)」化に向け、協業することで合意したと発表した。両社は今後、医療・ヘルスケアなどさまざまな分野への展開や、新規の事業開発を含め、協業範囲を拡大していく。
IIJは、モバイル通信やクラウドなど強力なインフラ基盤のもと、IoTサービス、システムの障害予兆検知、遠隔管理システムなど、さまざまな情報通信技術(ICT)を有している。平田機工は、産業用ロボット等機器の製造から生産ラインの設計・組み立てまでを包含した生産システムを提供している。今回の協業により、両社が持つ高度な技術や豊富な知見を融合させることで、運用効率の高い最適なスマートファクトリーを目指す。
■IoTを活用した生産設備の効率的な運用管理
IIJのIoTサービスなどを活用し、平田機工が提供する生産設備にIoTセンサーを組み込み、ハードウェア故障の予兆検知による設備の予防処置や予防保全を行う。生産設備の運用状況に関する情報はクラウド上に収集・可視化し、ポータルサイトで一元的に運用管理することで保守点検の人員の最適化や対処工数の削減を実現し、生産比率の向上とコスト競争力の強化を図る。設備の運用状況はWeb上でセキュアに閲覧できるため、国内に限らず海外における工場の遠隔管理にも有用。
(ア)生産設備機器の故障予兆検知による予防処置・保全の実現
(イ)生産設備機器の設定情報を一元管理することによるリモートメンテナンスの実現
(ウ)セキュアなグローバルネットワークを用いた世界の工場の遠隔監視の実現
これらは2017年12月を目途に平田機工のデモ環境で検証を行い、2018年夏よりサービスの提供開始を目指す。
■生産ラインのより一層効率的な運用稼働
生産ライン全体の運用効率を上げるため、稼働状況に関するあらゆる情報を収集し分析することで、設備全体を捉えた保全計画や生産管理の最適化を見据えた開発を進行させ、製造プロセスの高度化に活かしていく。
(※)スマートファクトリー:IoTや産業用ロボットなどを活用し、モノづくり現場における生産管理の自動化と最適化をとおして、作業プロセスの改善を行うことのできる生産環境を指す。