日立造船、スイス子会社が中国向けにKompogas®技術を用いたメタン発酵槽を初受注

 日立造船のスイスの100%子会社Hitachi Zosen Inova AGチューリッヒ、以下、HZI)は10月16日、中国で初めてKompogas®技術を用いたメタン発酵槽を受注したと発表した。

 受注した発酵槽2基は、中国におけるバイオガスの設計・建設を手掛けるGerman Bio Energy Technology Co., LTD(北京市)が建設する中国四川省重慶市内の乾式バイオガスプラントに納入される。今後、HZIは市場の拡大が見込まれる中国のバイオメタン市場に参入し、事業を展開していく。

 今回重慶市の廃棄物処分場に建設されるバイオガスプラントでは、一般家庭ごみから選別処理された有機性廃棄物がメタン発酵槽で日量200トン処理され、年間670万Nm3のバイオガスが生成される。バイオガスはCO2を分離した後、車両用燃料として活用される予定。

<受注概要>

注文主:German Bio Energy Technology

最終需要家:Chongqing Environment and Sanitation Holding(Group) Co., Ltd.

施設規模:有機性廃棄物 200トン/日(100トン/日×2基)

生産能力:バイオガス 670万Nm3/年

建設地:中国四川省重慶市

納期:2018年3月

■Hitachi Zosen Inovaについて 

 HZIは、日立造船の100%子会社で、ごみ焼却発電プラント(EfWプラント)の設計、建設、保守などの欧州のEfW事業においてトップクラスのシェアを有する。近年は、英国、アイルランド、ポーランドでのEfWプラント受注の他、Kompogas®技術の資産買収、ドイツでメンテナンス事業会社の買収、バイオガス精製技術等の取得、ドイツのPtGメーカーETOGASの買収など、欧州の事業を進めるだけでなく、トルコでのEfWプラント受注をはじめ中東などの新市場にも展開を図っている。

■HZIのコンポガス技術「Kompogas®」について

 乾式メタン発酵の代表的な手法の一つ。生ごみなど有機性廃棄物を嫌気性状態で、約55℃の温度に保ち、微生物の働きによりバイオガスを発生させる。処理後の残渣は堆肥として農業や園芸肥料に利用されます。なお、HZIの「Kompogas®」は世界30カ国以上の国々で商標登録されている。

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