エプソン、約160億円投じて広丘事業所(長野県塩尻市)に新棟建設

■商業・産業印刷分野の研究開発・生産体制を強化 –

 セイコーエプソンは10月5日、中長期的なプリンティングソリューションズ事業の成長実現に向けた計画に基づき、広丘事業所(長野県塩尻市)に約160億円を投資し、商業・産業用大型印刷機の試作・量産工場およびデジタル捺染のテストラボ機能を備えた新棟(名称:イノベーションセンターB棟)を建設すると発表した。

 イノベーションセンターB棟は延床面積約37,650m²、1階を工場およびテストラボエリア、2~3階をオフィスエリアとする3階構造を予定。2018年夏季に着工し、2019年度末の稼働を計画している。これにより、商業・産業印刷分野における研究開発力・生産技術を強化するとともに、関連部門をオフィスエリアに集約することで業務の効率化を図る。

 広丘事業所は、プリンティングソリューションズ事業におけるコアデバイスの研究開発・生産拠点、インクジェットプリンターの企画設計拠点として、国内および海外の生産拠点と密接に連携している。またコアデバイスの開発・生産を通じて得られる先端の生産技術・ノウハウをエプソンの海外拠点へも展開することで、グループの総合的なものづくり力の向上に貢献している。

 なお、イノベーションセンターB棟に先立ち着工した最先端の「PrecisionCore(プレシジョンコア)」プリントヘッドを生産する新工場は、2018年度上期の竣工を予定している。

 エプソンは長期ビジョン「Epson 25」のインクジェットイノベーションにおいて、商業・産業印刷を注力する事業領域の一つと位置付けている。屋内・屋外看板に代表されるサイネージ分野では、高画質の強みを生かしたラインアップの拡充を進めている。またテキスタイル分野の中では、デジタル捺染市場が、低コストで多品種少量・短納期の生産に対応でき、環境負荷も小さいという利点から急速に拡大すると見込んでいる。このような状況に対応するべく、イノベーションセンターB棟を建設するもの。

<イノベーションセンターB棟の概要>

投資金額:約160億円

稼働時期:2019年度末

延床面積:約37,650m²

建築構造:鉄骨3階建て

<広丘事業所の概要>(2017年3月31日時点)

所在地:〒399‐0785 長野県塩尻市広丘原新田80

事業内容:プリンティングソリューションズ事業における開発・設計・生産、およびエプソン全体における新事業開拓、新製品の研究開発

土地面積:211,810m²

操業年:1970年

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