キャタピラージャパン、20トンクラスの選択肢を広げる、次世代の油圧ショベル3機種発売

 キャタピラージャパンは9月27日、ICT(情報通信技術)施工に対応した次世代油圧ショベルの新製品3機種を開発、10月から発売すると発表した。1992年に世界統一仕様のCat300ファミリー油圧ショベルを導入して以来、25年ぶりに全く新しい設計思想に基づく完全改良を施しており、Cat 320 油圧ショベルおよびCat 323 油圧ショベルには2Dマシンコントロールを標準装備。テクノロジ、燃費、メンテナンスコスト、安全など、あらゆる面で従来モデルを超越した次世代の油圧ショベルとしている。

 20トンクラスの次世代Caterpillar油圧ショベル3機種、320 GC、320、323は、先行モデルと比べて稼動効率の向上、燃料コストとメンテナンスコストの低減、オペレータの快適性の改善を実現する。これらの新型油圧ショベルはそれぞれ、顧客の生産性とコストの目標に合致するよう設計された目的に特化した機能を、独自に組み合わせたものとなっている。

 20トンクラスの標準である新型Cat® 320には、Cat Connect(Catコネクト)テクノロジを採用。効率性のレベルを引き上げ、生産性をさらに向上させる。標準テクノロジに低燃費と低コストのメンテナンスを組み合わせ、ミディアムデューティからヘビーデューティ用途での生産コスト削減を実現する。

 ライトデューティからミディアムデューティ用途向けに設計された新製品のCat 320 GCでは、生産性を高める機能と、燃費/メンテナンスコストの低減を最適なバランスで両立。信頼性を高め、時間当たりコストを低く抑えることに成功している。

 高い生産性を発揮するプレミアムグレードの新製品Cat 323 は、Cat Connect(Catコネクト)テクノロジを標準で装備し、最高の出力と安定性を実現する。これらの機能と低燃費、低メンテナンスコストの両立により、最小限のコストで最高の生産性が実現する。

 キャタピラージャパン新型ショベル170927

 ニュースリリース

 キャタピラー3機種の主な特長

<特 長>

■最大45 %の効率向上をもたらすテクノロジ                                                        

 新製品のCat 320と323には業界最高水準のテクノロジが工場出荷時に搭載され、生産性がさらに高まる。いずれのモデルにもCat Connect(Catコネクト)テクノロジが装備されており、従来の整地作業と比べて稼動効率が最大45 %向上する。

 Catグレード2Dシステムが表面仕上げの深さ、勾配、水平距離のガイダンスを表示。すばやく正確に目標の設計面に仕上げられるようオペレータを支援する。eフェンス機能を利用すると、オペレータが設定した作業範囲に油圧ショベルの稼動を制限できるため、構造物の下や道路の近くでも安全に作業できる。標準の2Dシステムは、アドバンスト2DまたはCatグレード3Dにアップグレードできる。

 標準装備のグレードアシストによりブーム、アーム、バケットを自動的に操作できるため、操作レバー1本で簡単かつ楽に整地作業を実施できる。Cat 320と323には、Cat Payload(Catペイロード)車載積載質量計量システムを工場出荷時に標準で装備。旋回しなくても作業中に計量して、リアルタイムに積載量の計量値が表示されるため、正確に目標積載量を達成でき、積載効率が向上します。Cat LINK™(リンク)ハードウェアおよびソフトウェアにより作業現場と事務所を接続し、重要な車両稼動情報を提供することが可能。

■30 %の燃料節減を達成

 新型油圧ショベルの3機種には、耐久性の高いCatエンジンを搭載。作業負荷に合わせて90~121 kWの定格出力を供給する。高効率の次世代油圧ショベルは、同等の先行モデルと比べて20~30 %燃料消費量を節約する。新しいスマートモードでは、掘削状況に合わせてエンジンと油圧出力を自動的に調整して、燃料消費量と性能を最適化します。油圧が必要ない場合にはエンジン回転数を自動的に落とし、さらに燃料消費量を節約する。

 新しい冷却系統は1ファンシステムより効率に優れ、反転機能とともに複数の電動ファンを装備。作動油、ラジエータ、エアツーエアアフタクーラの温度を個別にモニタして、必要な空気流量を確実に供給する。Cat 320 GC、320、323では、応答性と効率性を高める新しい油圧系統が採用され、新しいメインコントロールバルブを搭載することにより、パイロットラインの必要性を抑え、圧力損失と燃料消費量を低減する。油圧ショベルの油圧ラインが減ったためオイルの所要量が20 %低減し、長期的にオペレーティングコストを削減できる。

■メンテナンスコストを15 %低減

 新型のCat油圧ショベルは、整備の間隔を延長するとともに同期化して、低コストでより多くの作業をこなし、先行モデルと比べてメンテナンスコストを最大15 %低減する。新しいCat作動油リターンフィルタは汚染物質の保持容量を増やし、耐用期間を3,000時間まで引き上げ、以前のフィルタと比べて50 %向上させている。新しいCatエアフィルタにはプレクリーナとプライマリフィルタおよびセカンダリフィルタが組み込まれており、耐用期間は1,000時間と、前世代フィルタ比で100 %延長されている。また、新しい燃料タンクキャップフィルタの耐用期間は2,000時間まで延長された。燃料系統の3フィルタは、いずれも耐用期間500時間。

 エンジンオイル、燃料ウォータセパレータ、燃料タンクの水分および沈殿物の排出、冷却系統レベルの日常的なメンテナンス点検作業を地上面からすばやく、簡単かつ安全に実施できる。フィルタをまとめて配置しているため、整備時間が短縮される。

■オペレータのパフォーマンス改善を念頭に設計された新型キャブ

 次世代Cat油圧ショベルのキャブにはすべて、押しボタンによるキーレスエンジン始動、制御用ジョグダイヤルキー装備の大型の8インチタッチスクリーン、 騒音低減設計の転倒時運転者保護構造(ROPS)が標準で装備され、オペレータの快適性、安全性、静音性が一層向上している。ジョイスティックボタンの応答性と操作パターンをプログラムできるため、生産効率の高い設定にアクセスできる。最先端のビスカスマウントの採用により、先行モデル比でキャブの振動を最大50 %低減している。

 キャブパッケージにはコンフォート、デラックス、プレミアムを取り揃え、広々とした新しいキャブは高さを抑えた設計で、前後左右に大きなウィンドウを装備。油圧ショベルの前方と側方に対して良好な視界をもたらす。オプション装備を使用すると、複数の車載カメラの画像を組み合わせて全周に視界を確保し、運転席からどの方向もより良く確認できる。外気温に関わらず、オートエアコンディショナがキャブ内を設定した温度に維持する。Bluetooth®内蔵のラジオには、電話接続/充電用のUSBポートがあり、快適な環境を自宅と同様に職場でも利用できます。デラックスキャブとプレミアムキャブにはチルトアップ式コンソールが装備されており、キャブへの乗降が楽にできる。

 価格はそれぞれ2,167万6,000円、2,197万6,500円、2,534万8,500円(いずれも税別)。