関西電力は、2030年までに50万kW程度の再生可能エネルギーの導入を目指して取り組んでいるが、9月26日、富山県黒部市宇奈月町の黒部川水系弥太蔵谷川(やたぞうだにがわ)における「弥太蔵谷発電所(仮称)」の建設と、福岡県京都郡苅田町(みやこぐんかんだまち)におけるバイオマス事業を推進するための新会社の設立を決定したと発表した。
<(1)弥太蔵谷発電所(仮称)の建設計画>
関西電力は、純国産資源である水力エネルギーを有効活用しつつ、水力事業の持続的な成長を実現するため、2015(平成27)年6月に「水力事業本部」を新設し、同年11月に、同事業部内に水力開発地点の発掘・調査を行う「水力調査所」を新たに設置した。
本件については、本水力調査所が主体となって検討を進めてきた初の新設案件で、過去に廃止された旧弥太蔵発電所の導水路トンネル等の残存設備を有効活用することで、新たな地点の開発に至ったもの。出力は1,520kWであり、今後、必要な手続きを実施した後、2021(平成33)年4月に着工、2022(平成34)年12月に営業運転を開始する予定。
<(2)福岡県京都郡苅田町におけるバイオマス発電事業推進のための新会社の設立>
関西電力は9月26日、福岡県京都郡苅田町におけるバイオマス発電事業を推進するための新会社「バイオパワー苅田合同会社(仮称)」を設立すると発表した。
事業は、新松山臨海工業団地内において、出力約75,000kWのバイオマス発電所の建設を計画するもので、2019(平成31)年3月に着工、2021(平成33)年10月の営業運転開始を目指し、検討を進めていく。
発電所の建設が実現すれば、関西電力グループ単独としては、2箇所目のバイオマス発電所となるとともに、初めての関西エリア以外におけるバイオマス発電所となる。