旭硝子、子会社CMC Biologics社のバイオ医薬品生産能力を増強

■デンマーク拠点の培養槽を増設し、抗体医薬品の需要増に対応

 旭硝子は9月25日、連結子会社でバイオ医薬品開発製造受託会社(CDMO(*1))であるCMC Biologics社の生産能力を増強すると発表した。同社コペンハーゲンの製造拠点にシングルユース仕様(*2)の2,000リットル動物細胞培養槽を5基増設する。既存の2,000リットル槽と同じ製造ラインに設置することで、2,000リットルから最大12,000リットルと幅広い培養規模に対応できるようになり、抗体医薬品(*3)をはじめとするバイオ医薬品受託案件の多様な需要に応えていく。稼働は2018年第3四半期を予定している。

 CMC Biologics社は、動物細胞と微生物を用いたCDMOで、プロセス開発、スケールアップおよび商業製造までの高付加価値サービスを提供している。同社は、洗浄・滅菌工程が不要で、洗浄不足によるコンタミネーションのリスクがないシングルユース製造技術のパイオニアであり、同技術による効率的な医薬品製造を進めている。米国シアトルの拠点では培養スケール12,000リットル規模のシングルユース製造ラインを保有しており、今回の培養槽増設により、欧州拠点においても大規模な商業製造が可能となる。

 年間約8%以上の成長を続けるバイオ医薬品市場の旺盛な需要に対応するため、旭硝子は今年2月にCMC Biologics社をグループに迎え、現在、旭硝子国内拠点(千葉、横浜)およびドイツのBIOMEVA社(昨年8月に買収)の3社でグローバルに事業を展開している。

<注釈>

*1バイオ医薬品開発製造受託CDMO: 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社(Contract Development & Manufacturing Organization)

*2シングルユース:使い捨て容器を使用した培養槽。

*3抗体医薬品:ヒトや動物から取り出した抗体の遺伝子を組み換えるなどして改良し、注射などで体内に入れて病気を治療するもの。

<CMC Biologics概要>

会社名:CMC Biologics

代表者:Gustavo Mahler

本社所在地:米国(シアトル)

生産拠点:デンマーク(コペンハーゲン)および米国(シアトル、バークレー)

出資比率:AGC 100%

創業:2001年

事業内容:バイオ医薬品開発製造受託、抗体/血液因子製造、組み替えワクチン、酵素、抗原性薬剤及びホルモン製造

従業員:約600名

 ニュースリリース