三菱商事は9月13日、100%子会社である三菱商事都市開発(MCUD)は、事業会社が使用する産業用施設の開発・大規模改修事業に着手すると発表した。MCUD はこのほど、千葉県市川市内の冷凍冷蔵倉庫兼加工センターを主要用途とする産業用施設を 2 件取得し、大規模改修を行う。総事業費はテナントの設備投資も合わせると、2 件合計で約 100 億円となり、冷凍冷蔵倉庫兼加工センターという特定用途の産業用施設に対する大規模改修等を含めた開発事業は、三菱商事として初めてで、不動産業界内でも非常にユニークな取り組みとなる。
第 1 号案件は、MCUD が築 25 年超の老朽化した施設を改修投資に消極的であった所有者から取得し、テナントの施設利用を継続しながら老朽化した設備の更新や外装の改修等の大規模改修工事を実施することで運営効率の向上及び経費軽減というテナントニーズに応える。また第 2 号案件は、MCUD が築 15 年超の汎用性の低い産業用施設を取得し、施設内のレイアウト変更等を通じて施設の利便性を高める大規模改修を行うことで、新たなテナントの誘致に成功した。
現在、国内の不動産市場 2,519 兆円のうち、約 20%の 430 兆円を事業会社が保有(※)しているが、ROA/ROE 重視する経営の浸透や、業界再編・経営合理化に伴う拠点再構築ニーズなど、企業経営を取り巻く環境の変化により、企業が保有する不動産(Corporate Real Estate、以下 CRE)の有効活用戦略を重視する企業が増えている。
三菱商事は、総合商社ならではの広範な業界との接点・企業ネットワーク及びプロジェクトマネジメント機能、建設エンジニアリング機能、不動産ソリューション機能等を駆使し、事業会社が所有もしくは賃借する不動産に対する様々な課題に対し、最適なソリューションを提供する「事業会社向け CRE サポート」に積極的に取り組んできました。産業用施設を所有又は賃借する事業会社に対して、遊休地の有効活用のみならず、冷凍冷蔵倉庫兼加工センターを含めた工場、研究開発センターを始めとする産業用施設についての開発(用地取得・建替・移転・新設・大規模改修等)に関わる投資機能も提供できる点が三菱商事の CRE サポートの特徴。
三菱商事では、商業施設、物流施設、分譲住宅等の不動産開発事業に積極的に取り組んでいるが、総合商社の強みを生かした事業会社向け CRE サポートを一つの柱として不動産開発事業の更なる拡大を図る。
※2017 年 6 月 21 日 国土交通省発表 「不動産投資市場の成長に向けたアクションプラン」