奥村組とオイレス工業、ラック倉庫に格納されたパレット上の積荷を対象とした免震装置を開発

 ㈱奥村組オイレス工業は9月12日、物流施設などの地震時における荷物の保全を目的とした、パレット上の積荷の落下リスクを低減する免震技術を開発したと発表した。(特許出願済)

 近年、ネット通販市場の拡大などによる、小口・多頻度の輸送ニーズの高まりから、大量の配送物を処理するための大型物流施設が増加している。南海トラフ大地震などの発生が懸念されるなか、積荷の落下防止対策は、荷物の保全はもとより、倉庫機能の維持にも寄与することから事業継続の観点からも重要度が高まっており、倉庫事業主の多様なニーズに対応できる、幅広い対策技術が求められている。

 開発した技術は、物流施設等のラック倉庫に格納される個々のパレットと腕木(ラックフレーム)の間に免震装置を設置することで、パレット上の積荷の落下リスクを低減するもの。

 巨大地震を再現した振動台実験では、免震装置なしの場合と比べて、パレットの揺れが約1/2に低減され、さらに加振終了後は、パレットが免震装置を構成するすべり材(山型の傾斜)と支持材により元の位置に復帰することを確認した。

 同技術は、ラックの腕木を加工することで比較的容易に免震装置を取り付けることができるため、新設に限らず既存のラックにも適用できる。今後は開発済みの「ラック制震技術」と併せ、荷物の保全や、倉庫機能維持による事業継続に対するニーズに幅広く応えるソリューション技術として提案していく。なお、販売は2018年4月以降を予定している。

 ニュースリリース