▪️タイ:板金塗装の新工場棟建設、ベトナム:鋳物工場拡張
シチズンマシナリー(本社:長野県)は9月8日、タイとベトナムにある製造拠点を増床し、板金塗装と自動旋盤の土台部分などに使用する鋳物の生産能力を拡大させると発表した。両工場とも年内に着工し、竣工は18年春、稼働開始は同年夏を予定している。
工作機械業界は、内需に加えて中国を中心とした外需も好調で、昨年末から好受注が続いている。同社も足元では過去最高レベルの受注状況となっており、各工場とも高水準での生産が続いている。好受注への対応と共に、2018年度を最終年度とする中期経営計画達成の基礎づくりとして、タイに板金塗装の新工場棟を建設、ベトナムでは鋳物工場を増床し、東南アジアの生産能力を拡大する。板金塗装と鋳物という重要パーツの内製生産能力を拡大することで、それぞれの品質・コスト・納期を安定させると共に、昨今の旺盛な受注への対応と、中期経営計画達成に向けた安定供給体制を構築していく。
■タイの板金塗装工場棟を建設 塗装能力を3倍に拡大
タイ・アユタヤにあるCITIZEN MACHINERY ASIA CO., LTD.(以下、シチズンマシナリーアジア)は、シチズンマシナリー初の海外工場として2001年に設立。シンコムブランドの自動旋盤を生産する最大規模の海外主力工場。
2015年に工場の増築を行い、昨年秋からの受注好調を受け高水準での生産が続いているが、自動旋盤カバー板金の塗装工程は外注比率が高いため、現在の外注先の繁忙状況を考慮すると、今後の安定確保が課題になっていた。特に塗装工程は高い外観品質が求められるため、内製化を進めるべく新たに新工場棟を建設することにした。
この増床により、塗装能力を現状の月産50台から150台の3倍に拡大する。また、加工エリア、組立エリアなども最適な配置転換を行うなど、工場全体のレイアウトの見直しも実施する。
<新工場棟 概要>
所在地:199 Moo 1 Phaholyothin Road, Sanubtube,Wang Noi, Ayutthaya 13170 THAILAND
構造:鉄筋コンクリート
増床面積:1,925m2(増床後の総延床面積:18,550m2)
投資額:総額約3億円
着工:2017年9月
竣工:2018年5月
稼動開始:2018年7月
▪️ベトナムの鋳物工場を増床 鋳物生産能力を約3割向上
ベトナム北部のハイフォンにあるCITIZEN MACHINERY VIETNAM CO., LTD. (以下、シチズンマシナリーベトナム)は、シンコムブランド自動旋盤の土台部分など鋳物を製造する拠点として2005年に設立された。
タイのシチズンマシナリーアジア同様フル生産が続いており、今後しばらく継続が期待される旺盛な受注対応に加え、2018年度を最終年度とする中期経営計画達成に向け、鋳物工場を拡張することにした。
増産対応に加えて、鋳物製造の各工程(加工、梱包、出荷)の動線を見直し、作業効率向上を図る。これにより、鋳物の生産能力を現状の月産350トンから450トンへ約3割向上させる。また、増床工場に食堂・更衣室を新設し、福利厚生を充実させ、従業員の働く環境の改善にも取り組む。
<新工場棟 概要>
所在地:J2,J3,J4 Nomura Hai Phong Industrial Zone
An hung Commune An Duong district Hai Phong City VIETNAM
構造:鉄筋造
増床建屋:建物面積 2,069㎡
延床面積:2,416㎡
(増床後の総延床面積:8,816㎡)
投資額:総額約1.5億円
着工:2017年11月
竣工:2018年 6月
稼動開始:2018年8月