NTNは9月6日、新規事業の創出と技術革新の加速を目的に、大阪大学(大阪府吹田市)大学院工学研究科に「NTN次世代協働研究所」を9月1日に設立したと発表した。
NTNは、2018年3月に創業100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けた基盤技術の強化と新商品による新たな領域での事業創出に取り組んでいる。このほど大阪大学の協働研究所制度を活用し、同大学内に「NTN次世代協働研究所」を設立した。研究所長には大阪大学大学院工学研究科の赤松良信特任教授(元NTN執行役員)、研究副所長には大阪大学大学院の田中敏宏工学研究科長が就任した。
NTNは大阪大学と共同で、創薬や再生医療への適用を目的に、大阪大学のiPS由来細胞を用いた細胞積層化技術と当社独自技術である微細塗布装置を用いた、革新的な人工三次元細胞組織の研究開発を進めている。
また、同研究所では人工知能(AI)を活用して自動車、鉄道車両、工作機械などの軸受の損傷状態や潤滑剤(グリース)の劣化状況を推定し、軸受余寿命を予測する開発や、軸受に多機能センサを付与することで軸受運転時の傾向管理や破損の未然防止を可能にする技術開発に着手する予定。
また、省エネルギーや自動車の低燃費化に向けた高度なシミュレーション技術を適用した軽量・コンパクトな商品開発や、開発期間の短縮に貢献する研究にも取り組んでいく。