昭和電工、大分石油化学コンビナートに液化炭酸ガス設備新設を決定

■西日本での供給体制を強化

 昭和電工は8月31日、連結子会社である昭和電工ガスプロダクツ(本社:神奈川県川崎市が、液化炭酸ガスの製造設備を大分石油化学コンビナート(大分県大分市)内に建設することを決定したと発表した。コンビナート内の化学品プラントの安定した炭酸ガス源を活用する計画で、年産能力は15,000トン、設備は2018年8月に完工、稼働予定。今回の新設により、九州地区での生産は既存プラントとあわせて2拠点体制となる。

 炭酸ガス・ドライアイスは、飲料・食品、工業向けなど幅広く産業で使用される製品。液化炭酸ガスは、石油精製や製鉄所、アンモニア製造工程の副生ガスとして発生する炭酸ガスを原料に製造されているが、国内における石油精製およびアンモニア生産の縮小により、液化炭酸ガス原料の供給源が減少、業界全体で製品の供給が慢性的にひっ迫している。

 昭和電工グループでは、主力の川崎工場をはじめとした各製造拠点で液化炭酸ガスおよびドライアイスの製造及び供給を行っている。これまでは、需給のひっ迫と地域のアンバランスを解消するため、川崎工場での増産、長距離輸送による供給、また最盛期の夏期以外にも輸入によりドライアイスを調達し、全国の顧客への安定供給を維持してきたが、輸送費や原料費の高騰が課題となっている。

 今後、炭酸ガス原料源のさらなる減少により、炭酸ガス・ドライアイスの需給は、一層ひっ迫することが予測されることから、今後とも九州・中四国地区の安定供給を行うため、液化炭酸ガスの生産拠点を自社グループの大分石油化学コンビナート内に新設することを決定した。今後は、さらなる増産も見据え、需給バランスに対して柔軟かつ早期に対応していく。

 昭和電工は現在推進中の中期経営計画“Project 2020+”において、炭酸ガス・ドライアイスをはじめとする産業ガス事業を基盤化事業に位置づけている。今後は、食品・農業分野、土木向けなどの新規用途開拓も進め、事業基盤をさらに強化していく。

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