三菱重工エンジン&ターボチャージャ、インドネシアでディーゼル発電設備147基を受注

■MHIET、カリマンタン島とスラウェシ島の22地区向けに

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、本社:相模原市中央区)は8月30日、インドネシアの国営電力会社であるPT. PLN(Persero)(PLN社)向けに、ディーゼル発電設備の主要ラインアップであるMGSシリーズ147基を受注したと発表した。多数の島嶼からなる同国における効果的な分散型電源として活用されるもので、2018年前半にかけて、カリマンタン(Kalimantan)島とスラウェシ(Sulawesi)島の22地区で順次営業運転を開始する予定。

 今回受注したのは、MHIETのMGSシリーズでは中核となる「MGS1500C」で、定格出力(注)は1,200kW。高速回転であるため、出力の大きさに比べてエンジンは小型軽量にまとまっていることから、狭い場所にも多数の発電設備ユニットを設置できるのが大きな特長となっている。

 MHIETでは、9月中にエンジン147台の製造・出荷を完了。現地では、MHIET100%出資でアジア地域におけるエンジン・発電設備の組み立て・営業拠点であるMitsubishi Heavy Industries Engine System Asia Pte. Ltd.(MHIES-A)が、発電機をはじめとする関連機器、部品を調達してセット化する。その後、セット供給を受けた現地MGSシリーズ代理店のPT. Berkat Manunggal Jaya(BMJ社)が、カリマンタン島の19地区とスラウェシ島の3地区に据え付けて試運転を行い、PLN社に引き渡す運びです。営業運転開始後は、MHIETが全発電設備について本社からICT(情報通信技術)の活用による遠隔監視サービスを行う。

 インドネシアは赤道を挟んで1万3,000超の島嶼で構成され、大規模な発電所で発電された電力を長い送電線で供給することが困難な地域が多く存在しているが、ディーゼル発電燃料となる石油資源に恵まれている。このため、PLN社では住民に対するディーゼル発電設備による分散型電源を利用した電力供給に力を注いでいる。MHIETは三菱重工による事業会社化前から、PLN社向けにディーゼル発電設備を供給しており、2010年を挟んだ5年間をピークに、これまで600基を超える納入実績を有している。今回の受注も、こうした実績が高く評価されたものといえる。

 MHIETは、2016年3月に発足した三菱重工100%出資の三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス(M-FET、本社:川崎市幸区)の100%出資で発足した会社で、三菱重工のエンジンおよびターボチャージャ事業を承継して2016年7月に営業を開始した。MGSシリーズおよびその他ディーゼル発電設備の事業も三菱重工から引き継いだもの。

(注)指定された条件下で機器類が安全に達成できる最大出力。

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