MHIヴェスタス、世界最大出力の洋上風力発電設備31基受注、ノースランド・パワー社のドイツ北海沖合発電所向け

 三菱重工業とデンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)が折半出資する洋上風力発電設備合弁会社のMHI Vestas Offshore Wind A/S(MHIヴェスタス)は8月28日、カナダのトロントに本拠を置く独立発電事業者(IPP)のノースランド・パワー社(Northland Power Inc.)向けに、世界最大出力8,000kW級の洋上風力発電設備であるV164-8.0MWを31基受注したと発表した。ノースランド・パワー社がドイツの北海沖合で進める総出力25万2,000kWのドイチェ・ブッフト(Deutsche Bucht:“DeBu”)洋上風力発電所プロジェクトを担う中核設備で、2019年後半の運転開始を予定している。

 このDeBu発電所は、ドイツのエムス河口に近いボルクム(Borkum)島の北西約95km、ノースランド・パワー社が同国で別途進めている洋上風力発電プロジェクトのノルドゼー・ワン(Nordsee One)発電所から約77kmに位置している。今回のプロジェクトへの参画は、ドイツの洋上風力発電市場におけるMHIヴェスタスの存在を一層強固にし得るもので、この契約には15年間の保守サービスも含まれている。

 今回の受注は、離岸距離が大きくより深い海域があるために、より大きく強力な風力発電設備が必要とされるドイツ市場において、V164-8.0MWが非常に強い競争力のある機種であることを裏付けている。

 DeBuプロジェクトはノースランド・パワー社にとって3番目の洋上風力発電プロジェクトで、同発電所が完成すれば17万8,000世帯超に電力を供給できるとともに、年間36万トン超のCO2削減効果も期待されている。また、同時に、ドイツ政府のCO2削減目標達成の有力な貢献策にもなり得る。

 V164-8.0MWは、英国バーボバンク(Burbo Bank)洋上風力拡張プロジェクト(32基、25万6,000kW級)向けですでに商用運転を開始している。

 MHIヴェスタスは現在、今後納入していく受注済み発電設備の総出力が230万kWを超えており、今回の受注を弾みとして、一層の受注拡大をはかっていく。

 三菱重工業のリリース

 MHIヴェスタスのリリース