月島機械は8月14日、日本下水道事業団(東京都文京区、以下JS)より、埼玉県の「中川流域処理場汚泥処理設備工事」において鋼板製消化タンク本体と攪拌機を36.6億円(税抜き)で受注したと発表した。
埼玉県は下水汚泥など下水道資源の有効活用を推進している。中川水循環センターは、埼玉県東部の11市4町の下水を処理しており、発生する汚泥は汚泥焼却炉で焼却していたが、汚泥処理の効率化および資源の有効活用を目的として新たに汚泥消化タンクを建設することとなった。
消化タンクは、一般的には密閉構造の鉄筋コンクリート製が採用されるが、今回は初期投資額や設置工事期間の削減が可能となる鋼板製消化タンクを採用することになり、JS より月島機械が受注することになった。
今回受注した鋼板製消化タンクは、JS の「新技術Ⅰ類」に選定されている。消化タンクの貯留容量は9,000㎥で、鋼板製としては日本最大級。また、下部コーン構造および底部からの汚泥水平引抜により、沈降物の効率的な排出が可能となる。更に低動力のインペラ式攪拌機の採用や汚泥循環ポンプの運転を自動制御することで、大幅な省エネルギー化を実現している。
月島機械は下水処理場における汚泥処理に強みをもち、汚泥消化タンクや消化ガス貯留設備、消化ガス発電設備等の豊富な実績を有している。今後も、汚泥消化設備を保有していない下水処理場における新設需要、および消化タンク更新需要に積極的に取り組み、下水道資源の有効利用、汚泥処理設備の省エネルギー化と地球温暖化防止に貢献していく。
<案件概要>
発注者:日本下水道事業団
工事名:中川流域処理場汚泥処理設備工事
納入先:埼玉県中川流域中川水循環センター
案件概要:鋼板製消化タンク(9,000 ㎥×4 基)、汚泥消化タンク攪拌機4 基 の設計・建設
工期:2020(平成32)年3 月
受注金額:36.6 億円(税抜)