日精エー・エス・ビー(ASB)機械が8月3日に発表した2017年9月期第3四半期累計(2016年10月~17年6月)連結業績によると、旺盛な需要を背景に販売活動を更に強化したことにより、受注高は253億7,300万円(前年同期比36.6%増)となった。売上高は期首受注残が低水準だったこともあり、191億800万円(同0.6%減)と前年同期並みとなった。受注残は139億2,100万円(同期末比46.3%増)と高水準を維持している。
利益面は、売上高が前年同期並みに留まったものの、原価圧縮への取組み、販売費及び一般管理費の低減に尽力したことにより、営業利益は35億7,800万円(同5.7%増)、期前半に為替が円安に転じたことにより為替差益を計上し、経常利益は42億8,400万円(同38.7%増)、最終損益である親会社株主に帰属する四半期純利益は、27億8,500万円(同54.5%増)となった。なお、利益項目はすべて第3四半期決算としては過去最高を記録した。
第3四半期累計期間は、期中を通じて円安基調の為替環境が継続したことに加え、地域的な濃淡はあるものの、海外の主要市場では経済環境が持ち直し基調で推移し、同社製品への需要が高まるなど、経営環境は堅調に推移した。同社では、世界各地で開催された大型展示会に参加し、顧客需要の喚起と既存主力製品の拡販に注力するとともに、拡販を進めている大型機の販売活動に尽力。技術・生産面では、市場競争力を高めるため、新製品の開発と既存製品の技術改良に積極的に取り組むとともに、インド第3工場の建設推進、国内新工場の建設決定、生産体制の効率化など、生産能力の拡充に向けた施策を実施した。
製品別売上高は、ストレッチブロー成形機が109億4,600万円(前年同期比1.4%増)、金型が50億1,700万円(同0.7%減)、付属機器が10億3,200万円(同15.4%減)、部品その他が21億1,100万円(同12.1%減)となった。
機種別では、主力製品のASB-70DPシリーズなどが減収になるとともに、PF24-8B型などのPFシリーズも前年同期の水準を下回った。一方で、大型機ASB-150DPシリーズが大幅増となった。
■セグメントの業績
<米 州> 北米市場では堅調な市場環境を背景に増収になったことに加え、中南米市場でも前年同期を上回ったことにより、地域全体の売上高は56億4,400万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益は17億6,200万円(同4.5%増)となった。
<欧 州> ユーザーの設備投資意欲が堅調に推移するなど、好調な販売環境が継続し、地域全体の売上高は34億8,700万円(同3.3%増)、セグメント利益は10億1,500万円(同3.4%増)となった。
<南・西アジア> シンガポール販売法人は回復基調で推移したものの、前年同期に販売を伸ばしたインド市場などで減収になったことにより、地域全体の売上高は64億9,800万円(同8.9%減)、セグメント利益は12億7,800万円(同7.1%減)となった。
<東アジア> 主要市場の中国で需要が回復したことなどにより、地域全体の売上高は16億1,700万円(同19.2%増)、セグメント利益も増収の影響により、4億1,500万円(同21.3%増)となった。
<日 本> 前年同期に計上した大型案件がなくなったことにより、売上高は18億5,900万円(同13.7%減)、セグメント利益は4億5,200万円(同0.9%減)となった。
2017年9月期業績は、売上高280億円(前期比9.7%増)、営業利益50億円(同10.5%増)、経常利益50億円(同21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億円(同26.3%増)と2016年11月11日公表値を据え置いた。
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