住友化学、シンガポール都市型農業プロジェクトでビル屋上での本格実証試験を開始

 住友化学は8月17日、シンガポール農食品獣医庁(AVA)と共同で取り組んでいる都市型農業モデルの開発プロジェクトで、8月からAVAの研究施設のビル屋上での本格的な栽培実証試験を開始すると発表した。

 このプロジェクトでは、限られた国土で食料供給力を向上させるため都市型農業を推進しているAVAと、農業関連事業をグローバルに展開する住友化学が共同で、日本の技術をベースにした、都市部のビル屋上での農業モデルの開発を進めている。2015年からまずは地上の農業用ハウスで栽培試験を始め、熱帯気候であるシンガポールで、日本で実績のあるカネコ種苗㈱の養液栽培システムを検証し、良好な結果を得られた。今後はビル屋上に新設した農業用ハウス内での実証試験に移行し、生産性や品質の向上に取り組む。また、これまで試験を行ってきた地上のハウスでは、葉物野菜を中心に栽培試験を続け、品目の拡大を目指す。

 引き続きシンガポール国家開発省や経済開発庁からの支援を受けながら、住友化学がプロジェクト全体を統括し、住友化学アジアが現地運営を担う。また、日本のカネコ種苗㈱とシンガポールのAVAおよび高等教育機関のニーアン・ポリテクニックの協力を得てプロジェクトを進めていく。

 住友化学は、今後、流通システムなどの調査も進め、2018年をめどに、持続可能な都市型農業モデルを確立し、将来的にアジアを中心にグローバルに展開していく考え。

<栽培施設の概要>

立地:シンガポール農食品獣医庁ポストハーベストテクノロジーセンター屋上

ハウス面積:265㎡

設備内容:農業用ハウス、養液栽培プラント(栽培制御機器、栽培ベッド5列等)

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