アマダ、4~6月受注は19.5%増の680億円、売上は2.2%増545億円

 アマダホールディングスが8月9日に発表した2018年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注高680億円(前年同期比19.5%増)、売上高545億円(同2.2%増)といずれも前年同期を上回った。国内では、大手企業を中心に設備投資が底堅く推移したことにより、売上高は194億円(同0.3%増)、海外では、北米で設備投資が好調に推移し、中国でも生産設備の高度化により回復基調に向かったため、売上高は351億円(同3.2%増)となった。

 アマダ2017年第1四半期データ

 損益面は、新商品の投入による販売価格の改善や製造合理化によるコスト削減に取り組んだ。一方でリース販売の増加による割賦販売未実現利益の繰延増加などにより、営業利益は29億円(同18.5%減)となり6億円の減益。経常利益は為替差損の減少などにより38億円(同62.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は23億円(同61.6%増)といずれも増益だった。

■事業別の状況

<金属加工機械事業> 受注高は552億円(前年同期比23.5%増)、売上高は446億円(同4.7%増)となった。板金部門では、主力のファイバーレーザ商品や急速に進む省力化ニーズに対応したベンディング自動化商品の販売が拡大し、売上高385億円(同3.6%増)となった。また溶接部門では中国で自動車や通信インフラ向けにレーザ溶接装置などの販売が拡大し、売上高60億円(同12.3%増)となった。

 営業利益はファイバーレーザの新商品投入による販売価格の改善や製造合理化によるコスト削減に取り組んだが、国内でのリース販売の増加による割賦販売未実現利益の繰延増加などにより、16億円(同20.1%減)と減益になった。

<金属工作機械事業> 受注高は124億円(同5.0%増)、売上高は96億円(同8.3%減)となった。インフラ投資が好調な北米やアジアで切削部門を中心に拡大したが、国内や欧州での販売が低調に推移したため、減収となった。また営業利益は減収の影響により12億円(同17.8%減)と減益になった。

■地域別の状況

<日 本> 大企業での設備投資の増加や中小企業の革新的ものづくり等を支援する政府の補助金効果により板金部門や溶接部門の販売が回復したことで、売上高は194億円(同0.3%増)となった。

<北 米> 米国の政策動向の不透明さを背景にカナダやメキシコは低調に推移したが、建築やインフラ関連への投資が活発な米国で板金部門や切削部門の販売が堅調に推移し、売上高は113億円(同4.7%増)となった。

<欧 州> イタリアやスペインなどの南欧や北欧での市場開拓を積極的に進めたが、ドイツやフランスなどの西欧で切削部門や工作機械部門の販売が低調に推移したことから、売上高は118億円(同2.1%減)となった。

<アジア他> 中国では自動車向けや通信インフラ向けに溶接部門の販売が回復した。また資源国が回復に向かい、インドが堅調に推移したことから、売上高は120億円(同7.5%増)となった。

 アマダグループでは、昨年、創業70周年を迎えるにあたり、次の10年そしてその先の100年企業を見据え、強固な体制構築に取り組むため、2016年度から2020年度までの中期経営計画「Task 321」を策定、推進している。この「Task 321」の実現に向けて、積極的な戦略投資を実施し、販売ネットワークの拡大や商品力の強化、新たなビジネスモデルの確立による成長戦略の実行、開発・製造一体となったモノづくり改革の推進やIoTを活用したサプライチェーン・マネジメント(SCM)構築による、さらなる収益性と効率性の向上を目指している。併せてバランスシート改革による資本生産性の向上を図ることで、成長性、収益性、資本の効率性を高めていくことに取り組んでいる。

 なお、2018年3月期連結業績は、売上高2,850億円(前期比2.2%増)、営業利益340億円(同2.9%増)、経常利益250億円(同4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益265億円(同2.3%増)と前回予想を据え置いた。

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