酒井重工業、4~6月は国内外とも好調、売上は22.7%増の61億7,000万円

 酒井重工業が8月10日に発表した2018年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、販売が国内外とも好調に推移し売上高は前年同期比22.7%増の61億7,000万円となった。売上増に伴い、営業利益は同26.6%増の5億4,000万円、経常利益は同31.7%増の5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同22.4%増の3億円となった。

 酒井重工業2017年第1四半期データ

 国内向け売上高は、今年8月末期限の大型ローラ排ガス規制の駆け込み需要により、前年同期比22.2%増の24億3,000万円、海外向け売上高は、北米及び東南アジアを中心に販売が好調に推移し、同23.0%増の37億3,000万円となった。

 北米向け売上高は、堅調な道路建設投資に加えてエネルギー関連投資が回復に転じ、前年同期比25.2%増の13億円。アジア向け売上高は、インドネシア市場が活発化するとともにメコン経済圏市場が堅調に推移し、前年同期比14.3%増の21億5,000万円。中近東・ロシアCIS向け売上高は、底這い状態が続き、前年同期比26.0%増ながら5,000万円。その他市場向け売上高は、オセアニア市場が回復に転じ、中南米及びアフリカ市場でも底入れの兆しが見られ、同244.2%増の2億1,000万円となった。

<日 本> 排ガス規制特需による嵩上げと海外販売拡大の結果、売上高は前年同期比25.7%増の47億2,000万円、営業利益も同125.8%増の1億8,000万円となった。

<海 外> 米国では、販売が好調に推移し、売上高は同20.5%増の13億2,000万円、営業利益も同16.6%増の9,000万円となった。

 インドネシアでは、国内販売が倍増するとともに第三国向け輸出も好調に推移し、売上高は同61.1%増の17億1,000万円、営業利益も同74.1%増の2億2,000万円となった。

 中国では、国内販売が伸び悩み、総売上高は同6.0%減の5億4,000万円となったものの、営業利益は同30.7%増の8,000万円となった。

<今後の見通し>

 今後国内では、短期的には今年8月末の排ガス規制特需に向けた売上拡大が続き、中期的には東京五輪や28兆円の政府経済対策、更には災害復興など底堅い工事需要が続く中、需要反動減をこなしつつ実需に基づく売上水準に収束していくものと予想。海外では、北米における積極的なインフラ投資や東南アジア諸国における活発な内需拡大政策に加え、新興国市場でも経済回復の兆しが見られることから事業環境は総じて緩やかな回復基調に向かうものと期待している。

 しかし、世界の勢力地図を塗り替えるような地政学リスクの高まりや、反グローバリズムのうねりと保護主義台頭、更には自動運転技術の急速な進化と普及に伴う産業競争軸の転換など、世界のマクロ情勢変化に対して備えを欠かすことは出来ないとしている。

 酒井重工業は、中長期成長戦略を堅持しつつ、変化に対して攻守メリハリを利かせた会社運営を進めるべく、北米における現地生産拡大と次世代製品・サービスの開発を急ぐとともに、国内外における営業戦略の積極展開、需要変化対応力の強化、人材力と開発力底上げ、マザー拠点強化とグループ経営体制整備など、将来成長の土台となる企業体質基盤を強化していく。

 2018年3月期の連結業績は、売上高265億円(前期比11.8%増)、営業利益23億円(同35.5%増)、経常利益21億円(同35.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(同22.9%減)と当初見通しを据え置いている。

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