プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は8月8日、中国の鉄鋼メーカーである日照鋼鉄集団有限公司(日照)から、新開発の製造最適化ソリューション(Through-Process Optimization solution :TPO システム)を受注したと発表した。
TPO システムは、鉄鋼の全生産工程を通して効率を改善し、生産の安定性および製品品質向上のためにプライメタルズ テクノロジーズが開発した、ノウハウベースの統合型ソリューショ。鉄鋼生産ノウハウに基いた製造品質管理システム(Through-Process Quality Control System :TPQC システム)と IT システムの併用により、最先端の高付加価値製品を短期間で市場投入できるようになる。
山東省日照市にある日照の各工場に導入される TPO システムは、溶鋼段階から最終処理ラインに至るまで、すべてのプロセスパラメータ、生産状況及び製品データを測定・記録し、製品品質を継続的に監視・管理する。TPO システムには、インテリジェントな TPQC システム、新たに開発されたインダストリー4.0 タイプの IT システムおよび製造ノウハウモジュール(Through-Process Know-How :TPKH)の各モジュールが含まれている。
このシステムでは、各生産工程に沿って、その各プロセスに関するプライメタルズ テクノロジーズの専門スタッフのノウハウに裏付けされ、自由に編集可能なルールシステムをベースとした品質検査が実施される。この IT システムの導入により、品質の逸脱が発生した場合には原因となる工程が解析され、是正措置および補償措置が自動的に提案される。また TPQC システムには、統計的プロセスコントロール(SPC)、主要性能指標(KPI)、予め設定したルールに基づいた製品格付付与などの幅広いツールが用意されており、全生産工程を監視して最適化を行う。さらに、長期的に記録されたデータから大量のデータを容易に取出し可能で、そのデータ解析によって複雑な技術的問題を整理して解決策を講じることができるようになるため、新製品の開発期間が大幅に短縮される。