東芝機械が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は、230億200万円(前年同期比7.5%増)となった。損益面は、原価低減の諸施策による成形機セグメントの利益改善は実現したものの、工作機械セグメントの売上減の影響を受けて、営業損失は1億5,200万円(前年同期は△9,700万円)、為替の好転を受けて、経常利益は3億2,700万円(前年同期は△1億7,300万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億6,300万円(前年同期は△1億3,400万円)となった。
<成形機事業(射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など)>
事業全体の売上高は、159億2,000万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は、5億3,200万円 (同952.3%増)となった。
射出成形機は、国内、北米および中国の自動車向けや国内、北米の生活用品向け等に販売と受注が堅調に推移した。自動車・二輪車向けを主な供給先とするダイカストマシンは、韓国、北米での落ち込みを受けて販売が減少したが、国内、台湾、中国および東南アジアの需要回復を受けて、受注は増加した。押出成形機は、中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置の需要拡大の継続を受けて、販売は堅調に推移した。受注は、国内の光学向けは減少したものの、国内、中国の二次電池向けシート・フィルム製造 装置が増加した。
<工作機械事業(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤、精密加工機など)>
事業全体の売上高は、47億2,900万円(前年同期比2.7%減)、営業損失は、6億7,500万円(前年同期△1億6,600万円)となった。
工作機械は、得意とする大型機の国内外需要は依然軟調に推移した。販売は、国内の機械部品加工向けを中心に増加したが、中国、インド等のアジア地域は減少した。受注は、有望市場として注力する自動車・航空機向けへの移行の成果が見え始めているものの、米国のエネルギー向け設備投資の需要低迷が継続し、軟調に推移した。
精密加工機は、昨年度の国内のレンズ金型加工や、スマートフォン金型向けの一時的な受注停滞を受けて、販売は減少した。受注は、国内の自動車用光学部品金型や、中国のスマートフォン金型向けの需要回復を受けて、堅調に推移した。
<その他の事業(産業用ロボット、電子制御装置など)>
事業全体の売上高は、30億3,800万円(同8.9%増)、営業利益は、5,100万円(前年同期△2,000万円)となった。
産業用ロボットは、国内の自動車等の自動化関連設備や、東アジアを中心とした電子デバイス・通信機器等の組立自動化設備向けに、販売と受注が堅調に推移した。
東芝機械グループが属する機械業界も国内の設備投資は緩やかながら回復傾向を示しているものの、海外は対象とする市場や製品により景況感に差異が生している。東芝機械グループは中期経営計画「TM-PΣ Plan」(Toshiba Machine Profit Sigma Plan)を2016年4月1日からスタートさせ、これまでの「先進と拡張」の考えを継承しつつ、新たに「高収益体質への変革」と「選択と集中」を基本方針とした。
今後成長が見込めるグローバル市場において、着実に成長していくための諸施策として、総原価の低減、収益性改善に向けた生産 革新活動、グローバル最適調達網の構築、新市場の開拓、国内外の注力市場に向けた新商品の開発、受注の拡大等に取り組んでいる。