東洋紡、インドネシアにパッケージングフィルム生産の合弁会社設立

■フィルム事業の海外展開を加速

 東洋紡は8月4日、透明蒸着フィルム「エコシアール(R)」およびパッケージ用ポリエステルフィルムの製造販売について、インドネシアのフィルムメーカー、PT. TRIAS SENTOSA, Tbk社(本社:インドネシア、以下TRIAS)と2社の合弁会社を設立することで合意し、8月3日に調印式を行ったと発表した。東南アジア大手のフィルムメーカーであるTRIASとの協業のもと、東洋紡は透明蒸着フィルムの海外展開を加速していく。

 食品包装分野において、国内では、食品の安全に関する意識の高まりや賞味期限の延長に対する要求などを背景に、バリアフィルムの市場が拡大している。一方、海外においても、環境意識の高まりや食糧不足の顕在化により、バリアフィルムの需要が拡大している。中でも、透明蒸着フィルムの世界市場は、年率10%の伸びが予想されている。

 東洋紡はこれまで、透明蒸着フィルム「エコシアール(R)」を、高性能なバリアフィルムとして国内市場を中心に展開してきましたが、バリアフィルムのグローバルな需要拡大を視野に、同事業の海外展開を検討してきた。

 東洋紡は、「エコシアール(R)」事業の海外展開を進める最適なビジネスモデルを検討し、またその実現のための最適なパートナーを探索してきました。その結果、東洋紡が必要とする事業インフラを有し、また東洋紡と長年の事業実績のあるTRIASと、以下2社の合弁会社をインドネシアに設立することで合意した。

■今後の展開

 TTEは、TRIASが保有する製造インフラを利用して「エコシアール(R)」を生産、東洋紡は日本国内および海外で販売していく。また、TRIASは、インドネシア国内で「エコシアール(R)」を販売していく。

 一方、TTAは、パッケージ用ポリエステルフィルムの生産を行い、TTEに対しては「エコシアール(R)」の原反を供給する。加えて、東洋紡とTRIASに対しても製品を供給していく。

 東洋紡は、中期経営計画におけるアクションプランの1つとして、「海外展開の加速」を掲げている。これまで国内中心であったパッケージングフィルム事業においても、今回の合弁会社設立を皮切りに、海外展開を加速していく。

<PT.TOYOBO TRIAS ECOSYAR(仮、以下、TTE)>

 事業内容:透明蒸着フィルム「エコシアール(R)」の生産

 出資比率:東洋紡:60%、TRIAS:40%

 所在地:TRIAS敷地内

 営業開始:2019年11月を予定

<PT.TRIAS TOYOBO ASTRIA(仮、以下、TTA)>

 事業内容:パッケージ用ポリエステルフィルムの生産

 出資比率:東洋紡:40%、TRIAS:60%

 所在地:TRIAS敷地内

 営業開始:2019年10月を予定

<PT.TRIAS SENTOSA,Tbk>

 所在地:インドネシア

 設立:1979年11月

 事業内容:ポリエステルフィルム、アルミ蒸着フィルムなどの製造販売

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