新日鉄住金エンジニアリングは7月31日、韓国の現代製鉄が唐津製鉄所第3高炉(2013年9月火入れ)で取り替えを予定している計120枚のステーブクーラー(※1)を受注したと発表した。これは独自に開発した鋼管鋳込み銅ステーブの高い耐摩耗性に加え、鋳造の特徴である形状設計の自由度を活かした炉内プロフィール改善提案等、新日鉄住金エンジニアリング技術が高く評価され、受注に至ったとしている。
新日鉄住金エンジニアリングは40年にわたる鋳鉄ステーブの設計・製造ノウハウを活かし「鋼管鋳込み銅ステーブ」を開発、2004年以降に実機導入を進めてきた。新日鉄住金エンジニアリング製「鋼管鋳込み銅ステーブ」は、「鋳込み製法」の特徴を生かし、ステーブに求められる性能(長寿命、低抜熱)全てにおいて、従来型銅ステーブに比べて大きく改善し、高炉の長寿命化・省エネ化に貢献することができる。
- 独自の上向きリブ構造により、摩耗に起因する原料接触力、降下速度を低下させ高い耐摩耗性(長寿命)を実現する。
2) 銅より剛性の高い鋼管が骨組みの役割を果たし、かつ当該鋼管をガスシール金物によって直接鉄皮に固定し、ステーブ上下端部の変位を拘束することができるため高い耐熱変形性(長寿命)を実現する。
3) 従来ステーブでは必須の栓溶接や配管溶接が不要となり、溶接部破損リスクの完全な排除(長寿命)を可能にする。
新日鉄住金エンジニアリングは今後とも鋼管鋳込み銅ステーブの拡販を通じ、各社の高炉長寿命化・省エネ化に貢献していく。
※1 ステーブクーラー:鉄鉱石から溶けた鉄を取り出す製鉄の主要プロセスである高炉の炉内に設置され、炉内形状維持及び炉内の高温ガスや溶融物から炉体(鉄皮)を保護するための設備。