日立建機、4~6月期売上は前年同期比31.1%増の2,114億円

■建機需要は中国などで増加

 日立建機が7月27日発表した2018年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上収益は、前年度に実施した日立住友重機械建機クレーンの持分法適用会社化による影響があるものの、特に中国をはじめとする建設機械の販売増と、H-E Parts社及びBradken社の連結子会社化による売上収益増の結果、2,114億9,900万円(前年同期比31.1%増)となった。調整後営業利益は売上原価率・販売管理費率の低減、部品サービスの増加とソリューションビジネスの貢献により167億6,300万円(同484.5%増)、営業利益は169 億1,900万円(同261.5%増)、親会社株主に帰属する四半期利益は95億5,400万円(前年同 期は△16億円)となった。~以下、セグメントの業績は次の通り。

<建設機械ビジネス>

 油圧ショベル需要は、中近東やアフリカで依然低迷が続くものの、中国やインドを始めとして前年同期を上回っている。日立建機では、顧客の機械を総合的にサポートするサービスソリューション「ConSite(コンサイト)」のグローバル展開や、部品供給体制の拡充等により、部品・サービス事業の強化を図り、収益の拡大に努めた。

 日本では、国土交通省が推進するiConstructionへの対応として、茨城県ひたちなか市に開設したICTデモサイトでの講習会や、施工プロセスの効率化につながるソリューションの提供等、情報化施工の普及に努めている。

 マイニング機械需要は、一部マイニング会社の投資増加を受け、前年同期を上回っている。日立建機は、日立グループの力を合せて高度な車体安定化制御を実現したリジッドダンプトラックAC-3シリーズの拡販に努めるとともに、鉱山機械の運行管理システムの提供や自律運転技術の開発等、鉱山運営の効率化に取り組んでいる。また、より高度なレベルの顧客サポート体制の構築を進め、部品・サービスの売上収益拡大に努めている。

 4~6月期の売上収益は1,871億7,700万円(前年同期比16.0%増)、調整後営業利益は144億7,100万円(同390.9%増)となった。

<ソリューションビジネス>

 同事業は、前年度に連結子会社化した、主としてマイニング設備及び機械の部品サービス事業を行うBradken社とサービスソリューションを提供するH-E Parts社で構成されている。4~6月期の売上収益は、オーストラリアや南米でマイニング機械向けの売上収益が堅調に推移し245億8,500万円、調整後営業利益は22億9,200万円となった。

 日立建機グループは、2017年度からの中期経営計画「CONNECT TOGETHER 2019」に掲げる経営施策を推進している。顧客の事業課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」に繋がるICT・IoTを活用した解決策を「Solution Linkage」として開発・提供を推進している。

 また、前年度に連結子会社化したH-E Parts社、Bradken社のマイニング設備や機械の部品・サービス事業強化の取り組みなど、新車販売以外での収益拡大を図るべくバリュー チェーンの深化を推進すると共に、グローバルなサポート体制の確立とシェア向上、コスト低減を進めるなど、体質強化と経営の効率化に取り組んでいる。

<2018年3月期見通し>

  2018年3月期連結業績予想に関しては、第1四半期における需要環境は好転しているものの、世界経済や為替動向が先行き不透明であること、新規に日立建機グループ化したH-E Parts社とBradken社のPPA(取得資産の再評価)を進めていることなどを踏まえ、4月26日公表の予想を据え置いた。また、その前提となる2017年7月以降の想定為替レートについても、米ドル105円、ユーロ110円、人民元15円を据え置いている。