旭化成、シンガポールS-SBRの生産能力を増強

 旭化成は7月24日、シンガポールにおいて低燃費タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の生産能力増強を決したと発表した。

 低燃費タイヤは、新興国でのモータリゼーションの進展によるタイヤ生産の拡大や、世界的なタイヤに対する環境規制の強化などを背景に、これまで急速に市場拡大しており、今後も高い成長が見込まれている。

 旭化成グループの中期経営計画“Cs for Tomorrow 2018”では、マテリアル領域におけるS-SBR事業を重点戦略事業と位置づけ、グローバルに展開するとともに自動車用途向け等での拡大を目指している。

 旭化成のS-SBRは、連続重合プロセスを主力とし、独自の技術開発によりタイヤの低燃費性とブレーキ性能を高次元でバランスさせながら、耐摩耗性や操縦安定性の改良も実現しており、国内外の顧客から低燃費タイヤに最適な材料として高く評価されている。現在は日本(神奈川県、大分県)、シンガポールで製造拠点を有している。

 シンガポールでは2013年より生産を開始し、新開発の高性能銘柄を投入するなど市場の要求に応えてきたが、さらなる需要拡大と顧客のニーズに応えた供給体制の拡充を図るため、生産能力を約3万トン/年増強し、2系列で合計13万トン/年とすることを決定した。

<計画概要>

社名:Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd.

代表者:小池 達也

出資:旭化成(株)100%

立地:シンガポール ジュロン島 テンブス地区

生産能力:約3万トン/年(増強後能力 13万トン/年)

生産品目:低燃費タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム

稼働予定:2019年1月(予定)