■核酸医薬分野における更なる価値提供を目指して米国で核酸医薬原体の製造能力を増強
日東電工(以下Nitto)の子会社である日東電工アビシア社(主な所在:米国マサチューセッツ州、以下「アビシア」)は7月20日、米国マサチューセッツ州ミルフォード製造拠点内に新しい設備を導入し、核酸医薬原体の製造能力を増強したと発表した。これまで1.2molだった核酸医薬原体の製造能力が3.0molとなり、世界最大の核酸医薬製造拠点となる。
■背景
Nittoは、核酸医薬分野での価値提供を目指して、2011年にアビシアを買収して以降、世界トップシェアを誇る核酸医薬製造サービスを顧客に提供している。2016年10月には、医薬品分析サービスを提供するIPS社及び医薬品無菌充填サービスを提供するAvrio社の資産を買収し、顧客に提供するサービス機能の拡大・拡充を図ってきた。
このほど、アビシア社のミルフォード製造拠点内の製造およびオフィスエリアを20,000平方フィート拡大するとともに、最大1.8molの核酸医薬原体の製造能力を持つ設備を追加導入することで、製造能力は合計で3.0molとなり、世界最大の核酸医薬原体製造拠点としてのポジションを確固たるものにしていく。
なお、今回の製造能力増強に伴い、8月2日にオープニングのテープカットセレモニーを行う予定。
アビシア社長のDetlef Rethageは、今回の製造能力増強に関して「お客様が核酸医薬品の臨床開発を計画通り進めるため、核酸医薬原体をタイムリーにお届けすることにこれまで以上に貢献できることになります。また、今回、当社の開発者が新規技術を導入ししながらエンジニアリング会社と緊密にスピーディに新設備の導入を実現したことを誇りに思いますー」とコメントしている。
NittoはInnovation for Customersをブランドスローガンに掲げ、Green(環境関連)・Clean(新エネルギー)・Fine(ライフサイエンス)の分野で事業ポートフォリオを拡大し、社会に価値提供していくことを目指している。Fine(ライフサイエンス)の取組みである今回の製造能力増強を契機として、顧客の核酸医薬開発をさらに加速させるサービスを今後も提供していく。
■核酸医薬とは
核酸医薬は、DNAやRNAなどの核酸を構成成分とし、抗体医薬に続く「次世代医薬品」として期待されている。遺伝子の発現に直接作用することにより、従来は難しかった病気の治療を可能にする画期的な医薬品として、商業化に向けた開発が勢いを増している。
<NITTO DENKO AVECIA INC.>
Nitto Denko Avecia Inc. は核酸医薬原薬の製造及び開発サービスのリーディング会社で、ミルフォード及びマルボロー(マサチューセッツ州)、シンシナティ(オハイオ州)に拠点を有し、DNA、RNAその他の核酸医薬の前臨床のミリグラムスケールから、商業上市後の1000Kg以上スケールまでのサービスを提供している。
http://www.Avecia.com
<NITTO AVECIA PHARMA SERVICES INC.>
Nitto Avecia Pharma Servicesはアーバイン(カリフォルニア州)に所在の、受託開発・製造サービスのワンストップ・ソリューションを提供する。Nitto Avecia Pharma Servicesは、製剤化前処理/製剤化、注射剤製造、分析開発、バイオ医薬開発、構造解析、分析化学、微生物試験、安定性試験、及びDDS製剤試験といったcGMP(*1))サービスの総合パッケージにより、製薬、バイオ医薬、及び医療機器業界を支援する。
http://www.aveciapharma.com
(*1))cGMP: Current Good Manufacturing Practice((現行の)医薬品等の製品管理及び品質管理に関する基準、の略)。 米国食品医薬品局の医薬品等の製造、試験に適用される品質管理システムのこと。