神戸製鋼、中国線材二次加工拠点の新酸洗設備が稼働開始

 神戸製鋼は7月11日、中国浙江省平湖市の特殊鋼線材二次加工拠点「神鋼特殊鋼線(平湖)有限公司(以下KSP社)」において増設工事を行っていた酸洗設備の稼働を開始したと発表した。新設備の稼働により、生産能力は約3,500トン/月から約4,900トン/月に拡大する。増設の意思決定は2015年11月10日発表済み

 KSP社は、自動車用ボルト・ナット等に使用される「冷間圧造用ワイヤー」を主に日系自動車部品メーカー向けに供給することを目的に2007年に設立、2009年に本格操業を開始した。同ワイヤーの母材である特殊鋼線材は、100%神戸製鋼が供給している。

 中国における自動車生産は、2025年には約3,200万台へ増加すると見込まれるなど順調に拡大を続けており、日系自動車(部品)メーカーの現地調達ニーズも高まっている。KSP社は、日系自動車部品メーカーが中国で高品質な部品を日本国内と同様品質の素材で製造することを可能にしており、「冷間圧造用ワイヤー」では最大のシェアという。

 神戸製鋼の中国における線材二次加工拠点は、KSP社を始め神鋼線材加工(佛山)有限公司、神鋼新確弾簧鋼線(佛山)有限公司、江陰法爾勝杉田弾簧製線有限公司の4拠点を有しており、自動車部品に使用される線材製品を生産している。中国は世界一の自動車市場で、今後も特殊鋼需要は堅調に伸長するものと想定される。神戸製鋼は引き続き中国における自動車及び自動車部品メーカーの現地調達ニーズに応えていくとしている。

■能力増強計画の概要

 投資額:約13億円

 投資内容:酸洗設備導入

■生産設備の変化

 酸洗設備

  ・能力増強前:1基

  ・能力増強後:2基

 ※製品の生産能力:約3,500トン/月⇒約4,900トン/月

ニュースリリース