川崎汽船・住友商事・日揮・政投銀、ガーナ沖油ガス田向けFPSO保有・傭船業に対する参画に基本合意

 川崎汽船、住友商事、日揮、日本政策投資銀行(DBJ)の4社は7月4日、マレーシアの海洋サービス事業者であるYinson Holdings Berhad(インソン・ホールディングス)が手掛ける浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)の保有・傭船事業への参画に基本合意したと発表した。

 共同4社は、契約発効後に合弁会社を通して、インソン社が運営するFPSO保有会社(Yinson Production(West Africa) Pte Ltd、以下YP(WA)PL社)に26%出資する。YP(WA)PL社は、イタリア大手石油会社Eni SPA傘下のEni Ghana Exploration and Production Ltdとの間で、FPSOの15年間の長期傭船契約を締結し、2017年5月にガーナ沖南西約60㎞のOffshore Cape Three Point(OCTP)鉱区において原油生産を開始している。2018年半ばには本FPSOからガーナ国内向けの天然ガス供給が開始される予定。

 FPSOは、今後堅調な増加が予想される大水深での石油・ガス生産の主要インフラとして、需要拡大が見込まれている。川崎汽船、住友商事、日揮にとって初のFPSO保有・傭船事業であり、本事業を通じて知見やノウハウを取得し、将来的に拡大する需要に備える。DBJは、我が国経済の活力向上・持続的発展に資することから、「特定投資業務」を活用しリスクマネーの供給を行う。共同4社は、本事業を通じて石油の安定供給、及びガーナ国内への天然ガスの安定供給に貢献し、ガーナにおける天然ガス・電力不足の解決に寄与していくとしている。

(※)Floating Production, Storage and Offloadingの略。洋上で原油・ガスを生産し、生産した原油をタンクに貯蔵し、直接タンカーへの積み出しを行う設備。

【事業概要】

FPSOの名称John Agyekum Kufuor
原油生産能力58,000バレル/日
ガス生産能力210百万立方フィート/日
原油貯蔵能力1.4百万バレル
係留方式スプレッド・ムアリング(水深約500~1000メートル)
※複数の係留索で船体を固定する多点係留方式。
出資比率インソングループ74パーセント、共同4社26パーセント
傭船期間2017年6月~15年間

【Yinson Holdings Berhad概要】
1983年設立、マレーシア証券取引市場上場の大手FPSOコントラクター(2017年6月時点FPSO保有基数5基)
本社所在地: KL Eco City, 59200 Kuala Lumpur, Malaysia
事業内容: 油田開発/生産支援含む海洋サービス