JFEスチール、タイ・天然ガス輸送プロジェクト向けラインパイプ23万トンを受注

■厳格耐サワーガス鋼管の過去最大数量受注

 JFEスチールは6月28日、伊藤忠丸紅鉄鋼(本社:東京都中央区)と共同で、タイ最大の石油会社であるPTT Public社の基幹パイプライン向けにラインパイプ用UOE鋼管(*)23万トンを受注したと発表した。PTT Public社の基幹パイプラインにJFEスチールがUOE鋼管を受注するのは約20年ぶりで、厳格な耐サワーガス性能が要求される案件としては、JFEスチールにとって過去最大の案件。

 今回のPTT Public社の基幹パイプラインは、タイ国内で整備を進めている5本目の基幹パイプライン「5th Transmission pipeline project」で、タイのラヨーン県のガス受入基地からバンコク郊外のノンタブリー県へ全長426kmを陸上パイプラインで結び、天然ガスを運搬するプロジェクト。同社は5カ年投資計画で1,101億バーツ(約3,400億円)を投じ、天然ガスパイプラインの整備と関連設備投資に注力すると発表しており、同プロジェクトはその一環となるもの。

 今回受注したUOE鋼管は、この陸上パイプラインに使用され、厳格な耐サワーガス性能が要求されている高級ラインパイプ。外径36インチ(914.4mm)と 42インチ(1,066.8mm)のUOE鋼管を西日本製鉄所(福山地区)で製造する。

 本件は、JFEスチールの長年にわたる世界の様々なパイプラインプロジェクトへの高級鋼管の供給実績と、それを支える最先端の鋼管製造技術および一貫品質管理への高い信頼性が評価され今回の受注に至った。
 
<PTT Public社の概要>
本社:タイ
売上高:約2兆バーツ(2015年度)
純利益:約199億バーツ(2015年度)

(*)ラインパイプ用UOE鋼管:規格は、API 5L X65グレードで、石油・天然ガスなどを長距離輸送するために使用される高強度の鋼管で、APIはアメリカ石油協会規格、5L X65は降伏強度が65,000psiのこと。