DIC、カラーフィルタ用ブルー顔料の生産能力を1.5倍に増強

 ■グリーン顔料同様にグローバルリーダーの地位を磐石化

 DIC(本社:東京都中央区)は6月28日、鹿島工場(茨城県神栖市)において、DICがグローバルトップシェアを有するカラーフィルタ(以下CF)用ブルー顔料の生産設備増設を決定したと発表した。生産能力は現在の1.5倍となる予定で、投資金額は非公開。

 CF用顔料は、テレビ、スマートフォンなどの液晶や有機ELディスプレイで使用されている。ディスプレイ市場は、新興国の経済成長による需要の増大とパネルの大型化による顔料使用量の増加で、2025年までは年率3.5%程度成長するとDICでは見込んでいる。

 DICのCF用ブルー顔料は、分子設計上、着色力が高くかつ粒形をコントロールするとともに、特殊な表面処理を施し、高い分散安定性を示すことで優れた輝度とコントラストのバランスを実現している。2012年に現在の主流となっているAシリーズを市場に投入して以来、この光学特性が高く評価され、大きく需要が伸張している。加えて、採用件数の増加や引き続く市場拡大も見据え、このたびの増設を決定した。

 DICグループでは、現在進行中の中期経営計画「DIC108」においてCF用顔料を含む機能性顔料を成長牽引事業の一つとして掲げ、これまで順調に実績を上げてきた。CF用ブルー顔料については、このたびの生産能力増強を生かし、売上高を2021年までに2016年比1.5倍とし、既にデファクトスタンダードとなっているグリーン顔料同様にグローバルリーダーの地位をさらに磐石化させていく。