武田薬品工業、ドイツのオラニエンブルク工場に新製造施設が完成

 武田薬品工業は6月16日、高品質の医薬品をより多くの患者にタイムリーに届けるとともに患者のニーズに一層応えることを目指し、ドイツのオラニエンブルク工場(所在地:ブランデンブルク州オラニエンブルク)内に建設していた新製造施設が完成したと発表した。

 工場の拡張には約1億ユーロ(約120億円)を投資しており、そのうち約2,300万ユーロについてブランデンブルク州およびドイツ政府から50%ずつの支援を受けている。新製造施設は、2017年末からの稼動開始を予定している。

 新製造施設の竣工式には、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、八木毅 駐ドイツ大使、Dietmar Woidkeブランデンブルク州知事、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEOが出席した。このことは、今回の投資の重要性を示している。

  武田薬品工業は、グローバルな生産体制の最適化に向けた取り組みの一環として、大阪工場(大阪市淀川区)における固形製剤の製造をオラニエンブルク工場と光工場(山口県光市)へ移管することについて、2014年11月27日付のプレスリリース「グローバルな生産体制の最適化に向けた取り組みについて」にて公表。今回の新製造施設の完成は、その取り組みに伴うもの。

 オラニエンブルク工場は、130年以上の歴史を有しており、固形製剤(錠剤およびカプセル)専用工場として武田薬品工業のグローバル生産ネットワークにおいて重要な役割を担っている。

 工場では、消化器系疾患治療剤(消化性潰瘍治療剤パントプラゾール等)、中枢神経系疾患治療剤(大うつ病治療剤Trintellix等)、循環器系疾患治療剤(心血管疾患予防剤Magnyl等)をはじめ、幅広い種類の医薬品を製造し、世界100ヶ国以上に供給している。

  今回、オラニエンブルク工場の生産能力拡大に伴い、成長著しい新興国市場等における今後の武田薬品工業医薬品の需要増加に対応することが可能になるとともに、既に約180名の雇用が創出された。 武田薬品工業Global Manufacturing & Supply OfficerのThomas Wozniewskiは、「武田薬品工業は、高品質の医薬品を世界中の患者さんにさらに安定供給していくため、武田薬品工業の製造技術を進歩させる製造施設に引き続き投資してまいります」と述べている。

<新製造施設(主要施設)の概要>

名称:M3P3

所在地:ドイツ ブランデンブルク州オラニエンブルク 16515 レーニッツ通り70-98

床面積:21,400㎡

着工時期:2014年8月

完工時期:2017年6月