三菱重工、中国上海市向けに世界最大処理量6,000トン/日の一般廃棄物焼却施設を受注

▪MHIEC、現地エンジニアリング企業とのコンソーシアムで

三菱重工グループの三菱重工環境·化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は6月15日、中国上海市向けに世界最大の一般廃棄物焼却施設を受注したと発表した。中国のエンジニアリング企業である杭州新世紀能源環保工程股份有限公司(HNC:Hangzhou New Century Energy Environmental Protection Engineering Co., Ltd.)とコンソーシアムを組み、6,000トン/日の処理能力を持つストーカ式焼却炉(注1)設備のほか、廃熱回収および排ガス処理に関わる機器などを手掛けるもので、納入完了は2018年7月の予定。

この焼却施設は、上海市から建設運営事業を受託している上海老港固廃総合開発有限公司(Shanghai Laogang Solid Waste Utilization Co., Ltd.)を通じてコンソーシアムが受注したもの。市東部に位置する浦東国際空港の隣接地に建設され、処理能力750トン/日のストーカ式焼却炉は8基で構成される。MHIECが焼却炉から排ガス処理設備までの基本設計、およびストーカ(火格子)や油圧ユニット、灰押し出し装置、同社の中国向けとしては初となる脱硝触媒などの供給を担当。HNCが廃熱ボイラーや排ガス処理設備を供給する。

HNCは、中国ボイラーメーカー大手である杭州ボイラーグループ(Hangzhou Boiler Group Co., Ltd.)の環境関連エンジニアリング企業で、2000年に設立された。MHIECは同社と、過去の中国向け廃棄物焼却施設建設プロジェクトで多数の協業実績を有している。

MHIECは、大型廃棄物焼却施設建設プロジェクトでは、シンガポール向けで2000年に納入した4,320トン/日、および現在建設を進めている3,600トン/日の施設について実績を持っており、中国向けでは北京市で3,000トン/日の施設で実績がある。こうしたプロジェクトを通じて実証された大型炉案件への信頼性ならびに高い技術力への評価が、今回の処理量世界最大施設の受注につながったもの。

中国における廃棄物焼却施設の建設プロジェクトは、今後も相次ぐものと予想される。MHIECは、中国先進都市である上海市にふさわしい廃棄物焼却施設の完成に向け関係者が緊密に連携して取り組むとともに、この実績を足掛かりとして、今後も拡販活動に一層力を注いでいく。

(注1)ストーカ炉は、耐熱金属の鋳物を並べた床の上で、ごみなどの焼却対象物を突き上げ攪拌しながら燃焼させる焼却炉で、都市一般廃棄物焼却炉の主流。