日本ゼオン、メキシコのパウダースラッシュ材料の生産工場が稼働

日本ゼオンの子会社であるゼオン化成は6月7日、メキシコ合衆国サンルイスポトシ州サンルイスポトシ市で、塩化ビニル樹脂(PVC)を原料とするパウダースラッシュ材料(以下 PSC)の生産工場の稼働を開始したと発表した。

ゼオン化成は、メキシコ合衆国に 2015 年 7 月に Zeon Kasei Mexico S.A. de C.V.(以下 ZKMX)を設立し、昨春より新工場を建設していたが、このほど開所式を開催し稼働を開始した。

新工場はメキシコ国内の日系、欧米系の自動車メーカーを始め、北米との交通アクセスに優れ、充実したインフラ環境を整えた、サンルイスポトシ市コリナス工業団地に立地し、第 1 期は年産 1,200 トンの能力で PVC パウダースラッシュ材料(PVC/PSC)の生産を行う。市場の拡大に合わせて、第 2 期には年産 1,200 トンの能力増強を行い、合計年産 2,400 トンの能力に拡大していく計画。

PVC/PSC は意匠性・成型加工性に優れ、安価でもあることから、インビジブル・エアバッグ・システム用表皮材として、国内自動車メーカーはもとより、海外自動車メーカーへの採用が進んでいる。

供給の安定性と地産地消の観点で建設された新工場は、拡大する北米、メキシコ自動車生産に対応していくが、ゼオン化成の PVC/PSC 事業は、国内の茨城工場、海外では中国の常熟工場、今回のメキシコ工場と3拠点体制となった。研究開発においても更に高機能化を進めた次世代表皮材料の上市を予定している。

将来は、今後検討を開始する欧州拠点を加えた4拠点化によるグローバルサプライチェーンの構築を目指しており、世界で拡大を続ける自動車産業にグローバルに貢献していく。

■ZKMX 概要

・名称:Zeon Kasei Mexico S.A. de C.V.

・代表者:篠原一人

・所在地:サンルイスポトシ州サンルイスポトシ市 コリナス工業団地

・生産品目:パウダースラッシュ用樹脂コンパウント゛

・生産能力:第1期 年産 1,200 トン、第2期 年産 1,200 トン(合計年産 2,400 トン)

・資本金:249 百万メキシカンペソ

・出資比率:ゼオン化成 100%