日揮、ロシア連邦ウラジオストク市にリハビリテーション事業会社設立

日揮、ロシア連邦ウラジオストク市にリハビリテーション事業会社設立

日揮と社会医療法人北斗(本社:北海道帯広市、理事長:鎌田一、以下「北斗」)は5月23日、ロシア極東ウラジオストク市において、リハビリテーション事業を共同で実施するにあたり、両社出資の新会社「JGC Hokuto Healthcare Service, LLC」を設立することで合意したと発表した。

これまで、日揮と北斗は、2016年初めより本事業に関する事業化検討を開始、2016年9月にウラジオストク市で行われた東方経済フォーラムや同12月に東京で開催された日露ビジネス対話の場において、ロシア関係機関との間で事業化への協力に関する覚書を締結するとともに、日本政府が推進する健康・医療に関する成長戦略や日露協力プランに沿って側面的な支援を受けてきた。また、2016年11月より今年3月まで、ウラジオストク市において北斗と現地のリハビリテーション専門職による症例検討や日本のリハビリテーションに関する講演並びに意見交換を実施し、このほど当該事業会社の設立に至ったもの。

現在、ロシア極東では、脳卒中、外傷などの手術後に2週間程度の急性期リハビリテーションは行われているがその実態は不十分であり、その後の回復期の患者に対するリハビリテーションにおいてはほぼなされていないのが実情。また、ロシアでは平均寿命の改善にともない高齢化が進展しており、今後ますます脳卒中や交通事故/生活骨折などの外傷の患者が増えることが予想され、質の高い回復期リハビリテーションのニーズは高まっていくと想定される。

このような環境の中、回復の可能性のあるロシア人患者に対し、北斗が持つ日本のリハビリテーションの治療技術を導入することにより、ロシアの患者のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の向上に寄与できることが期待される。

また、本事業では新会社で採用するロシア人セラピストを日本に招き(当初5名を採用予定)、北斗が運営するリハビリテーションセンター(帯広)やその他関係機関での研修を行う予定。このような活動を通じてロシア人セラピストの技能向上/人材育成を図り、経験を積んだセラピストの数を増やしていくことにより、ロシアにおける回復期リハビリテーションの発展に貢献できると確信しているとしている。

≪新会社の概要≫

会社名: JGC Hokuto Healthcare Service, LLC

設立場所: ロシア連邦沿海地方ウラジオストク市

資本金: 1.5億ルーブル(約3億円)

設立時期: 2017年6月

出資者: 日揮90%、北斗10%

社長: 選定中

開院予定: 2018年初頭(予定)

◆日揮

日本国内において30年以上にわたり250件以上の病院設計建設、コンサルティングプロジェクトの豊富な実績を有する。2008年より東京都より受託した都立松沢病院でのPFI事業(建設および運営事業)を行い、海外では2013年よりカンボジアにおける病院事業を展開中。本事業では、これら知見を活かし、事業計画の立案および経営全般を主導していく。

ロシアにおいては、北極圏に位置するヤマール半島にて液化天然ガスプラント建設を他社と共同で受注し、現在建設工事を遂行中。また、2016年4月より、ハバロフスクにJGC Evergreen社を設立し、トマト、キュウリなどの水耕栽培事業を実施中。

◆北斗

1993年に北海道帯広市で脳神経外科を中心に北斗病院を開院。道東・十勝圏域において予防医療から高度先進医療~在宅医療・介護へのシームレスなサービスを展開する社会医療法人。2016年からは埼玉県北部医療圏において、十勝圏域での取り組みをモデルに体制構築すべく医療法人 熊谷総合病院の経営支援を開始。

急性期医療および核医学や遺伝子診断などの高度先進医療の展開を中心とする北斗病院(267床)、回復期リハビリテーションを担う十勝リハビリテーションセンター(199床)を中心に、法人全体で医療、介護合わせて621床を有する。

ロシアにおいては、2013年にウラジオストクにて現地医療者の診断技術向上と第2次予防医療(検診)の普及を目的にした北斗画像診断センターを開設。毎年多くの地元住民に利用されており、HOKUTOブランドのもと日本医療の展開・普及に取り組んでいる。