住友化学、中国で自動車材事業を拡充、生産設備を導入
住友化学は5月23日、中国における自動車材事業の強化のため、新たに四川省成都市にポリプロピレン(PP)コンパウンドの生産・販売拠点を設け、また、遼寧省大連市の既存拠点に熱可塑性エラストマー(TPE)の生産設備を導入すると発表した。
PPコンパウンドは、PPに合成ゴム、ガラス繊維、無機フィラー等を混練し、機能性や剛性を向上させた高性能な材料で、自動車のバンパーや内装材などに使われている。TPEは、常温ではゴム状の弾性を示す一方、高温では軟化して熱可塑性樹脂と同じ加工法で成形できる材料で、主にエアバッグカバー材やボディーシール材などの自動車部材として使用されている。
世界最大の自動車市場である中国において、自動車の内外装向けPPコンパウンドの需要が拡大しており、安全意識の高まりによって、TPEを使用するエアバッグの搭載率も向上している。また、PPコンパウンド製造拠点を設置する成都市は西部の中心都市として今後も高い経済成長が期待されている。こうした背景から、中国における自動車材事業の拡充を判断した。
住友化学は、昨年、PPコンパウンドの販売拠点をメキシコに設けたほか、インドではPPコンパウンドの製造設備を導入することで、成長市場における自動車材事業を強化してきた。今後も、顧客のニーズによりスピーディーに対応するため、グローバルな生産販売体制の拡充を検討していくとしている。