神戸製鋼、中国天津市に設立の自動車アルミパネル材製造・販売会社が開業

神戸製鋼所は5月19日、2014年に中国天津市に設立した、自動車アルミパネル材(以下アルミパネル材)の製造・販売を目的とする神鋼汽車●材(天津)有限公司(以下、神鋼汽車●材)の開業式典を5月18日に開催したと発表した。●印=金へんに呂

開業式典には、川崎博也会長兼社長が出席致しました。また、主要取引先など約120名の来賓が出席した。

神鋼汽車●材は、日系アルミ圧延メーカーでは初めての中国におけるアルミパネル材専用の現地製造拠点となる。

中国は、世界最大の自動車市場であり、その生産台数は足下約2,800万台から2025年には約3,300万台へ増加すると見込まれている。加えて、環境問題から自動車の排ガス規制や燃費規制が一層強化される見通し。環境負荷軽減を背景に車体の軽量化ニーズがますます高まっており、アルミパネル材需要は足下の5万トン/年から2025年には30万トン/年以上(神戸製鋼推測)へ拡大する見込み。

神戸製鋼は、1980年代から技術開発を進め、独自の合金技術等の技術優位性および高度な表面品質や加工ノウハウを武器に、国内のアルミパネル材市場でトップサプライヤーとしてのポジションを築いている。このほど神鋼汽車●材の開業により、需要拡大が見込まれる中国市場に対して、日本同様の高品質なアルミパネル材を現地供給することが可能となる。なお、先に表の通り、Novelisとの韓国での合弁会社を設立することで新たな母材供給能力を確保し、加えて真岡製造所パネルライン設備の増強により、アルミパネル材の供給体制を強化する。

中国におけるアルミ・銅事業については、江蘇省蘇州市にある「神鋼汽車●部件(蘇州)有限公司」(2010年9月設立)から自動車サスペンション用アルミ鍛造部品を現地自動車メーカーへ供給しているほか、「蘇州神鋼電子材料有限公司」(2005年5月設立)からは、主に自動車用端子コネクター用銅板条を供給している。

また、神戸製鋼グループでは、昨年に遼寧省鞍山市にある自動車用冷延ハイテンの製造拠点である「鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司」を稼働させるなど、中国国内に神鋼汽車●材を含め8ケ所の自動車向け製造・加工拠点を有しており、中国での自動車向け製品の生産を拡大している。

神戸製鋼は、環境への負荷軽減を目的とした自動車軽量化の動きに対して、軽量化効果とコストのバランスに優れた超ハイテンやアルミ素材の競争力強化に加え、グローバルな供給体制を確立することで確実に受注を拡大していく。

<会社概要>

社名:神鋼汽車●材(天津)有限公司

総経理:増田 勝昭

設立:2014年1月(2016年4月より量産稼働開始)

事業内容:自動車用アルミパネル材の製造・販売

所在地:中国天津市 西青(シーチン)経済技術開発区

資本金:4.54億人民元(約75億円)

出資:神戸製鋼100%(神鋼投資有限公司経由)

総投資額:11.5億人民元(約190億円)

生産設備:連続焼鈍設備(CAL)および表面処理設備

生産能力:年間10万トン

従業員数:130名程度(2017年4月時点)

※180名程度(フル稼働時)